ノゾエ征爾が描く、もうひとつの荒川良々?

2013.12.20 19:39配信
左から、ノゾエ征爾、荒川良々  撮影:渡部伸 左から、ノゾエ征爾、荒川良々  撮影:渡部伸

2012年に“演劇界の芥川賞”岸田國士戯曲賞を受賞したノゾエ征爾(劇団「はえぎわ」主宰)作・演出の「サニーサイドアップ」が来年2月、東京・本多劇場で上演される。主演は、「あまちゃん」の副駅長役も記憶に新しい唯一無二の俳優・荒川良々。このふたりに話を聞いた。

M&Oplaysプロデュース『サニーサイドアップ』チケット情報

荒川、ノゾエを含むキャスト8名全員が男優で、いずれもクセモノ揃い。「僕、男子校出身なんです。だからというのか、気楽にやりたいなと思ったときに、男だけっていうのは潔くていいかなと。出演者の中には『女の子いねーのかよ!』って人もやっぱりいますけど(笑)」(ノゾエ)

またキャストに、赤堀雅秋(THE SHAMPOO HAT)、小野寺修二(カンパニーデラシネラ)と、ふたりの演出家が混じっているのが目を引く。「僕はクリエイターの方に興味が湧くので、前に劇団の作品で、役者経験のない柴幸男(ままごと)くんに主演してもらったことも。小野寺さんは動きの方なので普段あまり台詞をしゃべらないんですけど、先日舞台を観に行ったら、結構しゃべっていらして。『サニー~』のために自分の中でちょっとアゲていこうっていうのがあるのかもれない(笑)」(ノゾエ)

「ふたりとも演出家だから横槍とか入れてこないの? 『それちょっと違うんじゃない』とか『この稽古いる?』とか」(荒川)。「そうなったらなったで(苦笑)。化学変化が起きてほしいし、たくさん話が出る稽古場が好きだから、最終的には良いところに行けると思います」(ノゾエ)

荒川演じる40歳の俳優“たいくん”の一生と、彼に関わった7人の男たち。そこにノゾエならではスケール感で少しの地球史を絡ませる、パーソナルかつ壮大な叙事詩だ。インスピレーションの源はズバリ、荒川良々。

「荒川さんという人自体にすごく興味が湧いてきて、自然と荒川さんを軸にした物語が湧き上がってきました。僕、興味ある人が勝手にひとり歩きしていくことがよくあるんですね。その人の別の面を自分の中で作っていっちゃう。だから“たいくん”は荒川さんではないしフィクションを重ねていくんですけど、観る側からすれば本人がよぎる瞬間もあると思います」(ノゾエ)

当の荒川は、「と言われても、いつもと違う意識は何もないんですけど。なんかやった方がいいんですかね?」と、普段どおりの自然体。フィクションとノンフィクションを行き交って浮かび上がる、もうひとつの荒川良々とは? ファンならずとも興味が深まるところだ。

公演は2月21日(金)から3月2日(日)まで東京・本多劇場にて。チケットの一般発売は12月21日(土)午前10時より。

取材・文 武田吏都

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