宮澤佐江  撮影:源 賀津己 宮澤佐江  撮影:源 賀津己

結成20周年を迎える地球ゴージャスが、来年1月より、東京・赤坂ACTシアターで『クザリアーナの翼』を上演する。そこで地球ゴージャス初参加で、コルリ役を演じるSNH48の宮澤佐江に、舞台にかける熱い思いを訊いた。

地球ゴージャス『クザリアーナの翼』チケット情報

本作のチラシを見ながら、「正直、自分がここにいるのがまだ夢のようで!」と顔をほころばせる宮澤。というのも前作『海盗セブン』を観劇し、その時の感動が今でも忘れられないからだと言う。「歌もあって、ダンスもあって、これまで観た舞台とはまた違うかたちのエンターテインメントだなと思いました。自分もいつかこんな舞台に立てたらいいなと思っていたので、お声がけいただいた時は本当にうれしくて! 最大のチャンスだと思いますし、これを機に自分の人生も変わる気がします」

物語の舞台は、人々が4つの階級に分けられたジャメーリア国。中でも最下層に位置する第四種デッシュ(DEATH)民は、夢を見ることさえ叶わず、奴隷として死ぬ運命にあった。「自分は今AKB48グループで活動をしているんですが、今がゴールだと思ったことは一度もありません。この先に、女優さんという夢があるので。だから夢を持っちゃいけないってすごく残酷だし、悲しいことだと思うんです。また今の格差社会の問題などを考えても、現実と重ねて見ることが出来る作品なのかなって。その中で少しでも前に向かっていけるような、感動を与えられるような作品になればいいなと思います」

冒頭で宮澤も言ったように、地球ゴージャスの魅力は芝居、歌、ダンス、殺陣など、さまざまな要素を盛り込み、壮大なエンターテインメント作品へと昇華させている点にある。それだけに、役者に求められることは必然的に多くなるのだが……。「今のところ一番の不安は歌ですね。本業ではありますが(笑)、普段はグループで歌うことが多いので……。そこはちゃんと別の何かで補えるよう、そして一つひとつの公演を悔いなく、精一杯取り組んでいきたいなと思います」

アイドルとしての宮澤は、「自分よりもまずはファンの方!」と語るほどサービス旺盛で、ファンとの距離が近いタイプ。しかし女優としての宮澤は、どうやら少し違うらしい。「今回はファンの方と舞台上の自分の間に、ひとつ壁を置くようなイメージを持っています。ついファンサービスしちゃいそうになるかもしれませんが(笑)、そこはグッと我慢しつつ、宮澤佐江ではない、コルリとしての私を観てもらえたらなと思います」

公演は2014年1月8日(水)から2月20日(木)まで東京・赤坂ACTシアター、2月26日(水)から3月1日(土)まで愛知県芸術劇場 大ホール、3月7日(金)から12日(水)まで福岡・キャナルシティ劇場、3月18日(火)から31日(月)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。東京公演のチケットは発売中。大阪公演は12月21日(土)午前10時より、福岡公演は1月11日(土)午前10時より発売。

取材・文:野上瑠美子