柚希礼音  撮影:奥村達也 柚希礼音  撮影:奥村達也

2014年1月1日、兵庫・宝塚大劇場にて記念すべき100周年の幕開けを飾る『眠らない男・ナポレオン-愛と栄光の涯(はて)に-』は、「宝塚から世界へ発信するオリジナル作品」を目指した超大作だ。主演のトップスター・柚希礼音(ゆずき・れおん)に本作に対する意気込みを訊いた。

宝塚歌劇星組『眠らない男・ナポレオン』チケット情報

柚希が演じるのは、15歳の少年時代からエルバ島に流されるまで。英雄とも独裁者とも言われるナポレオンを、「人間的な魅力がある人」と捉える。「雪合戦で指揮をとって勝利した、有名なエピソードから始まります。生涯において本当にたくさんの出来事があり、ナポレオンについては調べれば調べるほど、いろんな描かれ方がされている。でもきっと、フランス革命後の政府のぬるさが許せず、゜“自由・平等・博愛”の国をきちんと作りたかった人なんだと思います。野心的なところや、人を信用し過ぎるところなどは、すごく人間的だと感じますので、人間性を深く表現することをテーマに演じていきたいです」。

また、妻ジョセフィーヌとの愛と葛藤を中心に描かれるのが、宝塚歌劇ならでは。「夢咲(ゆめさき)ねね演じるジョセフィーヌとは最初だけ“ラブラブ”で、あとはずっとうまくいきません。ナポレオンの方がゾッコンというのも、夢咲とのいつもの関係性と違うので、すごく新鮮で面白いですね。心情も結構スピーディに変わっていくので、お客様にしっかり伝わるように作っていきたいです」。

作・演出は小池修一郎が担当し、作曲は、『ロミオとジュリエット』のジェラール・プレスギュルヴィックがフランスより参加。楽曲の数も多く、1幕だけでも30曲以上あるという。「歌の間にお芝居が入っていく形ですので、ストーリーの奥にあるものがしっかり見えてくるように、各ナンバーを深く掘り下げていきたいです。音楽も『ロミオとジュリエット』ではロックでカッコイイ雰囲気でしたが、今回はとても美しくて壮大なイメージ。でも耳に残るところは同じで、自分の曲じゃないのについ口ずさんでしまったり(笑)。期待していただきたいです」。

100周年が目前となり緊張感も高まってきた様子で、「1月1日にどんな姿で舞台に立っているのかを考えると、ドキドキします。100周年の幕開けをさせていただくことは本当に光栄で、大きな責任を感じますが、怖気づかず、舞台に立てる喜び、宝塚が大好きな気持ちを常に持ちながら、しっかり務めたいと思います」。

宝塚大劇場では2014年1月1日(水・祝)から2月3日(月)まで。チケットは発売中。その後2月14日(金)から3月29日(土)まで東京宝塚劇場で上演される。1月12日(日)より一般発売開始。

取材・文:黒石悦子

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