左から、宮本亜門、柳楽優弥 左から、宮本亜門、柳楽優弥

宮本亜門演出の舞台『金閣寺』が来年4月、東京・赤坂ACTシアターで上演決定。主演には第57回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞受賞の柳楽優弥が挑む。

三島由紀夫の名作を舞台化したもので、2011年に宮本亜門が芸術監督を務めるKAAT神奈川芸術劇場のこけら落とし公演として上演。現代に通じる若者の苦悩を描き好評を博し、同年「リンカーンセンター・フェスティバル2011」に正式招待されNYでも絶大な支持を受けた舞台だ。金閣寺の若い僧で、生来の吃音から疎外感に悩まされ育った主人公・溝口を柳楽優弥が演じる。柳楽は2012年に村上春樹原作、蜷川幸雄演出舞台『海辺のカフカ』の主人公・田村カフカ役で初舞台を踏んで以来、2度目の舞台出演。

宮本亜門は「また「金閣寺」を再演させて頂くことになりました。柳楽優弥さんの舞台は拝見していてとても魅力的だったので、ぜひ溝口をやって欲しいと思っていたのですが、初めてお会いした時「まさに溝口!」という印象だったので、ガラス細工のように繊細で大胆で芯がある溝口をやってもらえるということで、これは面白くなる!と確信しました。作品に登場する溝口や、柏木、鶴川という若者たちはマイノリティであったり、人とは違う個性があったりしますが、周りと違う生き方があるからこそ今の時代に必要なのだと、若者たちの生の声というものを「金閣寺」を通して、三島の言葉を通して伝えたいと思います。「金閣寺」は、大胆で、斬新で、若々しい作品ですので、新しいキャストと新しい意気込みでさらにグレードアップして、皆様の心に、体に伝わる作品を作ります。「金閣寺」はいつまでも不滅です!」

柳楽優弥は「舞台は2度目ですが、今は楽しみの気持ちが強いです。宮本亜門さんは初めてお会いした時に「楽しみましょう」と言って頂いて、嬉しかったですしすごく話しやすい方だなという印象です。「金閣寺」は原作も読みましたが、溝口は言葉を発する前に頭の中で色々と考えていて、その考えるスピードが速いんですけど、外の世界になかなか馴染めない感じなど共感する部分がたくさんありました。そういった外の世界に馴染めないという、三島由紀夫の言葉で言うところの「鍵が錆びてて」ということが全ての始まりだと思いますので、そこは大事にしていきたいです。「金閣寺」は三島由紀夫の大人気の小説ですが、いい意味で期待を裏切れるよう、溝口に対して誠意を持って演じられるように頑張ります」と、それぞれコメントを寄せている。

■『金閣寺-The Temple of the Golden Pavilion-』
日程:2014年4月5日(土)~4月19日(土)
会場:赤坂ACT シアター
一般前売開始:2014年3月1日(土)