地球ゴージャスプロデュース公演『クザリアーナの翼』稽古場より 地球ゴージャスプロデュース公演『クザリアーナの翼』稽古場より

岸谷五朗と寺脇康文が主宰する演劇ユニット「地球ゴージャス」が、新作舞台『クザリアーナの翼』で新春の華やかなスタートを切る。ユニット結成20周年となる2014年のスタートに、中村雅俊、風間俊介、山本裕典、宮澤佐江(SNH48)、佐藤江梨子、湖月わたるら実力派を揃えた総勢40人のキャストが結集。これまで以上のスケールの大きさを予感させる新作を探るべく、大所帯の熱気に包まれた稽古場を訪れた。

地球ゴージャスプロデュース公演『クザリアーナの翼』チケット情報

圧巻のダンスやアクロバットは地球ゴージャスの持ち味のひとつ。ゆえに稽古は、マット運動を含めた入念なウォームアップから始まっていた。テンポよく進む様は体育会の部活動のようで、活気のある掛け声とともに全員の士気が高まっていくのがわかる。続いて、スタッフ数名によって稼働する大掛かりなセットが、稽古場の前面に押し出されてきた。その中央に中村雅俊が立ち、セットの全景を確認するように見渡している。はたしてここで繰り広げられる物語とは……。

舞台となるのは、厳しい階級制度に縛られた架空の国ジャメーリアだ。絶対権力を振りかざす大帝クエーサー(中村)の支配のもと、少年ガンクツ(風間)ら最下層の民たちは、夢を持つことも許されない生活を強いられていた。ある日、国随一の美女イグレット(佐藤)が連れ去られる事件が起こり、物語が動き出す。ガンクツとグース(湖月)、少女コルリ(宮澤)、仲間のおじさんキジー(寺脇)とウグイ(岸谷)らはイグレット救出のため、クエーサーやギゼル大佐(山本)ら権力者たちに立ち向かっていく。

風間と湖月が、息のあったコンビネーションで惹きつける。コミカルなやりとりで笑わせたかと思えばシリアスな表情に急転。稽古場中がふたりの熱演を息を詰めて見守っていた。片隅では、ひとりだけ半袖Tシャツで気勢を見せる山本が、威厳ある歩き方を何度も繰り返し稽古している姿が見える。岸谷は演出ノートを手に各キャストに声をかけるために稽古場中を駆け回り、その姿を寺脇が演出席から満足そうにみつめている様子が印象的だった。岸谷のひらめきのひと言に、出演陣から一斉に「オオ~!」と感嘆の声があがる瞬間も。全員の好奇心と向上心が結束している様に清々しさを覚え、想像以上のとてつもない舞台に出会えそうな期待が募る。東京公演を皮切りに名古屋、福岡、大阪と吹き荒れる“ゴージャス旋風”の行方をぜひ追いかけたい。

公演は2014年1月8日(水)から2月20日(木)まで東京・赤坂ACTシアター、2月26日(水)から3月1日(土)まで愛知県芸術劇場 大ホール、3月7日(金)から12日(水)まで福岡・キャナルシティ劇場、3月18日(火)から31日(月)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。東京・愛知・福岡公演のチケットは発売中。福岡公演の一般発売は2014年1月11日(土)午前10時より。

取材・文 上野紀子

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