「ゲームの社会的地位を高めたい」と語るJeSUの平方彰専務理事

単なる娯楽の一つとみなされ、海外に比べ、ゲームの社会的地位は低い、と感じている関係者は多い。日本のeスポーツ業界を代表する団体「日本eスポーツ連合(JeSU)」で専務理事を務める平方彰氏もその一人だ。「日本のeスポーツは世界と比べると遅れている。特に、プレーヤー・選手の社会的な地位を向上させる必要がある」と平方氏は訴える。

「ゲーム部」と「全国大会」で社会的地位を高めたい

「eスポーツの社会的地位の向上を目指す手段として、中学・高校の部活動のひとつとする」(平方氏)という案がある。サッカー部や野球部、陸上部、囲碁部、将棋部などの部活動のなかに、コンピュータゲーム部、eスポーツ部が加われば、ゲームに対する世間の意識も変わってくるはずだ。

平方氏は、「舞踊など伝統的なものを除く『ダンス』も、一昔前は深夜に素行のよくない若者たちが楽しむイメージだったが、今は教育科目になっている」と、例をあげながら将来像を説明する。さらに「高校野球の春・夏の甲子園のような普遍的な大会がeスポーツにもあれば、名誉を目指して人が集まりやすい」と見込む。

ゲームで甲子園というと、任天堂が「闘会議」で決勝戦大会を開催する「Splatoon甲子園」が思い浮かぶ。平方氏は「『Splatoon甲子園』は非常にいい例。ゲームのレギュレーションは長期間一定で、詳しくない人が観戦しても、なんとなくわかるので誰でも親しみやすい。一方、世界で人気の『StarCraft』(ブリザード・エンターテイメント)などのゲームは知識がないとわからないので、人を選んでしまう」とみる。

「Splatoon(スプラトゥーン)」は初代(Wii U)、2作目(Nintendo Switch)ともに、小学生や大人を問わず、若い世代を中心とした幅広い年齢層から人気を集めているシューティングゲーム。2チームに分かれて色を塗った面積を競うゲームなので、一目でおおよその戦況をつかむことができる。実際にプレイせず、観戦しているだけでも楽しめる。

「Splatoon」は、海外発のゲームのように短い期間で新作の発売や大規模なバージョンアップがなく、すでに国内に200万人以上のプレーヤーがいるというユーザー人口の多さも、日本におけるeスポーツ種目に適しているとされる理由だ。また、賞金がなくても多くの参加者が集まる「Splatoon甲子園」のモデルは、eスポーツ大会にとって大きなヒントになるだろう。

なお、任天堂は、ゲーム大会の開催時に「eスポーツ」の名称は使っていない。平方氏は「JeSUに協力していただく機会があるかもしれない」と、任天堂がeスポーツへ取り組む可能性を示唆した。もし、ゲーム機メーカーの任天堂が「Splatoon2」でeスポーツに取り組みはじめたら、eスポーツプレーヤーへの戸口は大きく広がる。子どもが「将来の夢はeスポーツプレーヤー」と言う日は、案外近いかもしれない。(BCN・南雲 亮平)

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