東啓介主演のオリジナルRock Musical『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』が、4月3日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオで開幕した。

【チケット情報はこちら】

本作は、脚本・作詞・演出の石丸さち子(「Color of Life」作・演出、ミュージカル「マタ・ハリ」訳詞・翻訳・演出など)と、音楽の和田俊輔(ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」、ナイロン100℃「社長吸血鬼」など)の初タッグで生まれたオリジナルミュージカル。シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」を下敷きに、血縁や国境、性別、人種、宗教など見えない“線=ライン”に隔てられた若者の、それを越えようとする姿、笑い飛ばして自由を勝ち取ろうとする姿、そして幼い魂のふれあいと成長を、「ロミオとジュリエット」同様、主人公とヒロインが愛を知って愛に死ぬまでの“5日間”を通して描く。ロミオをモチーフにした主人公・ハワル役の東啓介、ジュリエットをモチーフにしたヒロイン・リェータ役の豊原江理佳のほか、柳下大、中山義紘、大山真志、マルシアが出演する。

開幕に際し石丸が「一生に匹敵する5日間を2時間で描きます。駆け抜ける愛、転落する愛を、俳優たちは、16m×10mの舞台をまさに走り続けて、小高い丘からまさに転がり続けて、全身で物語ります。愛という感情が、人と世界にもたらす力を体感してください」とコメントを寄せた本作。ハワル(東)とリェータ(豊原)の恋の疾走、ハワルの親友ポドフ(柳下)のどうにもならない気持ち、同じく親友ナウチ(中山)の軸である信仰、リェータの兄シーラ(大山)が盲信する幸福、そして若い彼らを“ライン”上で見つめ導くドゥーシャ(マルシア)の大きな愛…彼らの抱えるさまざまな想いが、KAAT芸術劇場の中スタジオという汗も涙も見える距離、呼吸の音まで聞こえる空間で、爆発するようにぶつかり、ぐいぐいと物語を動かしていく。和田による音楽も、いわゆるミュージカルのイメージとは一線を画すメロディラインで、そこで生まれたばかりの感情が歌となり、空間全体に広がっていくようだった。

たったひとつの恋が人を動かし、周囲を動かしていくエネルギーは「ロミオとジュリエット」そのもの。しかしその先で彼らが考えること、迷うこと、選ぶものは、現代という時代設定が大きく反映されている。自分の人生を全身全霊で生き始めた彼らが、鐘の音が5回鳴る日に選んだものはなんなのか、ぜひ劇場で確かめてほしい。

『5DAYS 辺境のロミオとジュリエット』は4月23日(月)まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオにて上演中。

取材・文:中川實穂

「ウレぴあ総研」更新情報が受け取れます