売上増、高価格帯シフト、効率化で大幅増益となったビックカメラ

ビックカメラは4月10日、2018年8月期上期(17年9月~18年2月)の連結決算を発表した。売上高は4150億6300万円(前年同期比7.7%増)、営業利益は133億4700万円(42.7%増)、経常利益が144億400万円(34.3%増)、純利益が87億100万円(35.6%増)で増収増益となった。これを受けて通期の業績予想も上方修正している。

カテゴリ別でとくに伸び幅が大きかったのは、「Nintendo Switch」などにけん引されたゲームで、売上高は前年同期比49.6%増の約200億円となった。また、家電市場全体ではパソコンやデジタルカメラが伸び悩んでいるが、ビックカメラではパソコン本体が9.9%増の約303億円、カメラが12.6%増の約204億円と好調。携帯電話(約609億円・7.8%増)、テレビ(約188億円・7.9%増)、洗濯機(約161億円・9.5%増)、エアコンを含む季節家電(約210億円・8.0%増)などの主力商品がおしなべて堅調だったほか、医薬品・日用雑貨が30.8%増の約91億円となるなど、非家電カテゴリも大きく伸びた。

売上高の伸びに加えてコストの調整も進み、販管費は前年同期の24.8%から24.6%に、0.2ポイント低下した。高付加価値商品へのシフトも引き続き進行し、粗利率は同27.3%から27.8%に改善、利益を大きく押し上げた。

連結対象のコジマの同期業績は、売上高が1186億700万円(前年同期比6.3%増)、営業利益が13億4700万円(525%増)、経常利益が15億1600万円(196.9%増)、純利益が9億200万円(797.8%増)だった。

これらの結果を受けてビックカメラでは、18年8月期通期(17年9月~18年8月)の業績を上方修正した。売上高は昨年10月に発表していた予想から0.6%増となる8350億円、営業利益は8.0%増の270億円、経常利益は9.2%増の284億円、純利益は9.3%増の164億円を見込んでいる。

また同日、4月11日から5月11日にかけて自社株の公開買い付けを行うことを発表した。配当に加えた株主還元策として、自社株買いをかねて検討していたところ、ビックカメラ創業者・新井隆二元社長の資産管理会社、ラ・ホールディングスからビックカメラ株の売却に関する打診を受けたため。ビックカメラはラ・ホールディングスから、市場価格に比べて約1割安い1株1497円で930万株を取得する。他の株主からも応募を受け付け、1000万株を上限に買い付けを行う。

現在ラ・ホールディングスはビックカメラ株の9.95%を保有する筆頭株主だが、今回の買い付け期間が終了すると保有比率は5%前後まで低下する見込み。(BCN・日高 彰)