――メジャーに行ってから、プロデュースに岡野ハジメさんが入られましたが、そこで意図的にとか大きく変わったところはありますか?

幸樹:音楽に対する熱とか、「(岡野さんは)本当に音楽大好きなんだな」っていうのが伝わってくるし、その一方で自分たちだけがいいと思っているものではダメなんだということを教えてもらえたというか。

以前「じゃあドラムのキックが何音かって全員わかってる?」って言われて、全員わからない。そういうところから始まって、岡野さんと出会ってよかったなと思っています。

――そして今年は2月8日(土)のZepp Nambaからはじまる3大都市ツアー「ダウト 絶頂 Zepp TOUR'14 (再)教育」ですが、こちらに対する意気込みを聞かせてください。

幸樹:同世代のバンドがいろんな分岐点に差し掛かっているシーンの中で、オレたちが突っ走ってるってことはアピールしたいし、「(再)教育」 ってタイトル通り、あーダウトのライブっていいんだって改めて思えるような場所にしたいと、そのタイトルにしました。ダウトにとってこのツアーは挑戦の場所だし、このツアーがダウト2014年のワンマン開きにあたるので、たくさんの人に観てもらいたいです。

――同世代のバンドが分岐点とおっしゃいましたが、たしかに昨年今年とキャリアのあるバンドの解散や活動休止が目立った気がします。

幸樹:メンバーが抜けたりとかもありましたね。ウチらの世代…、まだ売れてない時から一緒に切磋琢磨していたバンドたちがそういうところに差し掛かっているので、その気持ちも凄くわかるし。

やっぱりウチらも7年もやっていると「これで良いのかな」って思いますもん。自分たちが思い描いているとこってもっと上にあるから、なんでそこまで行けないんだろうって考える時期だと思いますしね。

――個人的には今のヴィジュアル系シーンって面白いと思うんですけどね。

幸樹:ホントですか? なんかもっと各バンド個性があればいいのになあって俺は思います。みんなが同じレールでやってるようにしか思えないから。
だから世間一般の人がみたらどれも同じに見えちゃう。それに、「なんでもやっちゃう」からじゃないですかねえ。線引ができてないなあって。

――なんでも? 

幸樹:音楽プラスアルファーな所も求められる事がありますからね。体も張らなきゃいけないし、面白いことも言わないといけないし(笑)、それってもう1バンドがして、他のバンドがしないってなると意味が無いんですよね。「○○はしてるのにこっちのバンドはしないんだ」って、なっちゃって。

インストアイベントも、ウチらもやってきたし、やってきて思ったことではあるんですけど…。わかるんですよね、(インストアイベントを)やらないと、CDも売れないんじゃないか、ファンのコも喜ばないんじゃないか?…っていうのもあるんですけど、なんか悲しいなあって。喜んでくれるのは嬉しいしんだけど…。なんでもすればいいってわけじゃないので、難しいですよね…。
それはシーン全体で変えていかなきゃいけないのかなあって。

――ファンサービスとして、エンターテイメントとして面白いものもあると思うんですけど。ひとつ流行っちゃうとそっちに流れ過ぎなんじゃないかなあと思ってしまう面も…。

幸樹:こうすればある程度売れるだろうなっていうお手本があるから、そこを狙えばある程度まで上には行けますからね。それでいいんだって思っちゃうだろうし。

それ相応の評価をされたら「これじゃだめだ」ってどんどんオリジナリティが出てくると思うんですけど、ひとまず何かが流行ると、それっぽいことを言っておけばいいとか、そういうの見ると、なんかもっと、自分の信念っていうものを音楽で出せなかったらドコで出すんだよって思ってしまう。

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