「ゆるゆるねんトレ」

抱っこは機嫌がよい時に、泣いたらすぐに抱かずにまずは観察からスタート。

泣いたからといって、すぐに抱っこしてしまうと、泣けば抱っこしてもらえるという図式が赤ちゃんの中でできあがってしまうので、まずはおむつは濡れてないか、室温は大丈夫か、体調の変化はないかなどを確認し、つい泣き止ませたくなってしまいますが、すぐに抱かないことが重要です。

また、伊藤さんおすすめの本、清水悦子さんの『赤ちゃんにもママにも優しい安眠ガイド』によると、大人が寝言を言うように、赤ちゃんも寝言をいうことがあり、言葉を話せない赤ちゃんは「泣く」という方法で、寝言を言っているのだといいます。

ということは、寝言の度に抱っこしたり、おっぱいをあげては逆に安眠妨害になってしまっている可能性も。夜泣きがあってもすぐに抱っこやおっぱいなどと行動するのではなく、まずは観察することが大切といえそうです。

「ゆるゆるねんトレ」では、抱っこやおっぱいでウトウトしたところでお布団に寝かせます。背中スイッチで泣き始めてもすぐには抱き上げず、トントンしたり、ぎゅっと抱きしめ、それでも泣き止まないなら抱っこ、そして、また完全に寝入る前に布団に寝かせる、を繰り返します。

これを繰り返すと何度目かで、布団の上で眠るようになるというトレーニングです。赤ちゃんには負担が少ない分、ママはちょっと大変。ゆっくりでいいので、一人で眠れるようになって欲しい場合には「ゆるゆるねんトレ」を。

「スピードねんトレ」

「もう限界!今すぐ眠らせて!」というママには「スピードねんトレ」がおすすめ。赤ちゃんの泣き声はママにとっては放っておけない最優先事項。泣き声を聞くと、つい気になって抱っこしたり、おっぱいをあげてしまうかもしれません。

なので、ここでパパに協力してもらいましょう。パパにねんトレをしてもらうのです。

パパに赤ちゃんと睡眠の関係、普段のお世話などを知ってもらい、思い切って、ママはお出かけしましょう。

パパはママのいない間、たくさん赤ちゃんを抱っこしたり、触れ合ったりして過ごします。「寝つく瞬間は赤ちゃんは一人」という、ねんトレの基本だけ守り、あとは、パパはおおらかな気持ちを持って過ごすだけ。

ママは帰宅後も赤ちゃんとパパの寝ている場所とは違う場所で寝ます。泣き声が聞こえても見に行かないようにしましょう。

ママは、朝になったら「おはよう、協力ありがとう」とパパと赤ちゃんに伝えて、次の1日を始めます。これを何日か続けることで、夜泣きが減ってくるのだそう。

赤ちゃんの近くにいれば、ママはちょっとしたことも気になってしまうものです。お出かけをして、物理的に「見ない」状態にして、数日、数回、パパにねんトレをお願いすることで、「泣けばおっぱいをもらえる」という状況を打破しましょう。赤ちゃんとパパの、ママとパパの絆も強まるかもしれません。

泣いている赤ちゃんに手を差し伸べないというのは、とても心が痛むもの。でも、赤ちゃん自身も深い眠りにつけなくて困っているかもしれません。

また、これから、少しずつ色々なことを赤ちゃんが学び、親が教えていくのと同じように「心地よい眠り」について、赤ちゃんとトレーニングすると考えれば、赤ちゃんがかわいそうという思いも軽くなるかもしれませんね。