日本アカデミー賞協会は16日、第37回日本アカデミー賞の正賞15部門各優秀賞、新人俳優賞を発表した。

優秀作品賞を受賞したのは『凶悪』『少年H』『そして父になる』『東京家族』『舟を編む』『利休にたずねよ』(50音順)と例年より1作品多い計6作品が選出されている。これは5位が同票数だったための措置だといい、本年度の日本映画の充実ぶりを示す結果に。このうち、『そして父になる』『東京家族』『舟を編む』が12部門で優秀賞を受賞しており、3月7日(金)に発表される最優秀作品は、大混戦が予想されている。

俳優部門で注目されるのは、やはり『そして父になる』で優秀主演男優賞を受賞した福山雅治。また、松田龍平が『舟を編む』で優秀主演男優賞、『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』で優秀助演男優賞を受賞したほか、尾野真千子と真木よう子も、優秀主演女優賞と優秀助演女優賞をダブル受賞している。『凶悪』で揃って優秀助演男優賞を受賞したピエール瀧とリリー・フランキーにも注目だ。リリー・フランキーは『そして父になる』でも受賞している。

また、昨年引退宣言した宮崎駿監督の『風立ちぬ』、14年ぶりの新作として完成させた高畑勲監督の『かぐや姫の物語』が優秀アニメーション作品賞を受賞しており、一時代を築いたスタジオジブリの盟友同士が最優秀アニメーション作品賞を目指すことになった。授賞式当日は、本年度から日本アカデミー協会組織委員会の副会長に就任した俳優の西田敏行、昨年『わが母の記』で最優秀主演女優賞に輝いた樹木希林が司会を務めることになっている。

主な優秀賞受賞リストは以下の通り。

●優秀作品賞
『凶悪』『少年H』『そして父になる』『東京家族』『舟を編む』『利休にたずねよ』

●優秀監督賞
石井裕也『舟を編む』、是枝裕和『そして父になる』、白石和彌『凶悪』、三谷幸喜『清須会議』、山田洋次『東京家族』

●優秀脚本賞
是枝裕和『そして父になる』、高橋泉/白石和彌『凶悪』、三谷幸喜『清須会議』、山田洋次/平松恵美子『東京家族』、渡辺謙作『舟を編む』

●優秀主演男優賞
市川海老蔵『利休にたずねよ』、橋爪功『利休にたずねよ』、福山雅治『そして父になる』、松田龍平『舟を編む』、渡辺謙『許されざる者』

●優秀主演女優賞
上戸彩『武士の献立』、尾野真千子『そして父になる』、真木よう子『さよなら渓谷』、宮崎あおい『舟を編む』、吉行和子『東京家族』

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