移動時間やスキマ時間をうまく活用したい

日中、強い眠気を感じたら、睡眠負債が蓄積しつつある証拠。負債を解消するため、短時間でも仮眠をとりたい。ただし、時間は15時半まで。夕方以降に寝てしまうと、その日の睡眠に支障が出て逆効果といわれている。移動時間や病院の待ち時間といったスキマ時間にさっと深く眠り、気分や調子をうまくリセットして、仕事のパフォーマンスを最大化するコツを紹介しよう。

手持ちのデバイスを活用して活動状況を知る

以前はブラックボックスだった睡眠の質や睡眠時間は、今は、睡眠計機能を搭載したウェアラブル端末やIoTデバイスを使えば自動的に計測される。Apple Watchのように睡眠計機能がない端末でも、アプリに表示された時間帯ごとの歩数のグラフやスタンド時間から逆算して、眠っている時間・時間帯が類推できる。

日中の睡眠は、あくまで「仮眠」であり、1時間を超えてはならない。これは鉄則だ。睡眠の質が良ければ5分、10分でも十分にリセット効果が感じられるだろう。

「座りっぱなしは良くない」という研究結果を受け、多くのヘルスケアアプリは、1時間に一度も立っていないことを検知すると、スタンディングアラートを出す。しかし、電車や飛行機などの移動時間は座ったまま、ずるずると眠りがちなので、スマホのアラームやウェアラブル端末のスタンディングアラート通知を利用して寝すぎを防ごう。

仮眠時に熟睡するためには、耳に装着する左右のイヤホン本体と、連携するスマホをBluetoothでワイヤレス接続する「完全ワイヤレスイヤホン」で好きな曲を聞くといい。耳を塞ぐ密閉度が高く、周囲の音を遮断できる上、ケーブルレスなので姿勢を気にせずにすむからだ。

寝入るまでの時間を短縮するため、YouTube上にいくつかある「すぐに眠れる曲」を再生してもいいだろう。実際に自宅で就寝前に何度か再生してみたところ、確かに効果が感じられた。スマホやタブレット端末の画面から発せられるブルーライトが気になる場合は、カット機能をオンにしたり、画面にカット対応フィルムを貼ったりするなどして対策を取ろう。

「よく眠れる○○」「眠りにきく○○」など、睡眠の悩みに訴えるアイテム・家電が増えている。快適な睡眠環境のサポートを目的に、パナソニックが西川産業と睡眠関連サービスの共同開発で提携するなど、最近は企業のコラボレーションも活発だ。こうした製品の力を借りた自宅の睡眠環境の見直しとあわせ、短時間の仮眠でリフレッシュ/リセットできる、「高効率」な体質への改善をおすすめしたい。(BCN・嵯峨野 芙美)