優香  撮影:源 賀津己 優香  撮影:源 賀津己

4月に開幕する三谷幸喜作・演出の新作舞台『酒と涙とジキルとハイド』は、かの有名な『ジキル博士とハイド氏』をモチーフにしたコメディーだ。この作品で初舞台を踏むのが優香で、しかも二役に挑戦する。数年前からの三谷による熱心なオファーに応じた形だ。

舞台『酒と涙とジキルとハイド』チケット情報

「大河ドラマ『新選組!』で三谷さんの作品に出演して、またいつかご一緒できたらいいなとずっと思ってました。それが舞台で、まさか二役とは!」と笑う。怖いと感じていた舞台への出演を決めたのは「絶対に合ってると思うんです」という三谷の言葉と、自身の心境の変化から。「この1~2年で、これまで自分がやったことないこと、自分のイメージとは違うお仕事が楽しくなり始めて来たんです」

『新選組!』では、自らの前歯を生かしたあて書きのセリフに感激した。「映画だったら『ザ・マジックアワー』の佐藤浩市さんのナイフをなめる仕草とか、〝この人がこんなことやったら面白いだろうな〟っていうことを考えつく。ちゃんと自分の良さを見ていてくださって、その特徴が一番輝くように書いてくださるんですよね」

片岡とは全くの初共演。「『半沢直樹』をはじめ幅広くいろんな役をされてて、思い切りのいい方なのかな? と想像してます。藤井さんはバラエティのレギュラーでもご一緒してますが、舞台を見ていると役になり切ること、演じることが楽しいんだろうなって思う」。では自身は? と尋ねると「変身するのが好き! コントの子ども役が好きなので(笑)」と即答。

「ただ、コントはセリフが決まっているようでいて、実際は自由なんです。失敗してもいいから〝とにかく止めないで!〟っていう世界観。セリフや台本がきっちりある舞台でどれだけ自由に、力を入れ過ぎずにできるんだろう? 笑わせるって難しいことだし、だからこそ芸人さんはホントすごいと思います」と、初舞台ながらも喜劇やコメディーに対する認識は的確なのが頼もしい。

「この作品は三谷さんにとって久々の〝どコメディ〟だそうなので、お客さまに〝なんか楽しかったね~〟なんて言いながら劇場を出てもらえるように、お稽古を頑張りたい。そして私にとっての〝初物〟を、一緒に体験してもらえたらうれしいです」

公演は4月10日(木)から30日(水)まで東京芸術劇場プレイハウス(4月8日(火)・9日(水)プレビュー公演あり)、5月4日(日)から18日(日)まで天王洲 銀河劇場にて。チケットの一般発売は2月8日(土)午前10時より。チケットぴあではインターネット先行先着「プリセール」を実施中。

取材・文:山上裕子