舞台『華アワセ』  左から、市川大貴/飯塚大夢/八木将康(劇団EXILE)/中村誠治郎/橋本真一/高木万平/安居剣一郎/根本正勝/鷹松宏一 舞台『華アワセ』  左から、市川大貴/飯塚大夢/八木将康(劇団EXILE)/中村誠治郎/橋本真一/高木万平/安居剣一郎/根本正勝/鷹松宏一

人気の乙女ゲームを原作とした舞台『華アワセ』が、1月21日、東京・天王洲銀河劇場で開幕した。西森英行の演出のもと、勢いある俳優たちが、ゲーム・キャラクターを三次元に立ち上げた。

舞台『華アワセ』チケット情報

原作は花札をモチーフに作られたゲームである。ここでは、“華札”の能力を最大限に引き出して生死をかけて戦う“華遷”を行うことを“華アワセ”と呼び、札を切る男性“華詠”と、彼らの力を増幅させる女性“水妹”が存在する。舞台で描かれるのは、その水妹たちが禊ぎに出ている間のできごと。最強の華詠である“五光”が、宿敵や謎の男に立ち向かっていく様を、男性俳優のみで演じていく。

幕開きにはまず、観客を物語に引き込む仕掛けが用意してある。華アワセの世界と登場人物を紹介する映像に合わせて、キャストが次々に登場。アクションとダンスが融合した迫力あるオープニングで、原作を知らない者の気持ちも一気に高揚させるのだ。“華遷”の戦いでも、俳優たちはその身体能力を存分に発揮。映像や照明も駆使しながら、緊張感あるシーンに仕上げた。

一方、“五光”4人の会話場面では何度も笑いが起こった。生真面目な「蛟(みずち)」役の高木万平、クールなのに天然な「いろは」役の中村誠治郎、天真爛漫なかわいらしさを見せる「姫空木(ひめうつぎ)」役の飯塚大夢、俺様キャラの「唐紅」を演じた根本正勝と、それぞれ見事にキャラクターを際立たせる。敵役であるコインの八木将康、謎の男・紫苑の橋本真一も、“五光”の大きな壁としてしっかり存在感を見せつけた。また、“五光”がひとりずつ、今はいない“水妹”への思いを吐露する場面もある。その切なさには、原作ファンならずとも、胸が熱くなることだろう。

緩急つけたスピーディーな展開で、ゲームの世界観を誠実に鮮やかに描き出した舞台。1月26日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて上演。チケット発売中。

取材・文:大内弓子