『ゲノムハザード…』に主演した西島秀俊

西島秀俊が主演するアクション・サスペンス映画『ゲノムハザード ある天才科学者の5日間』が間もなく公開になる。『CUT』ではイランのアミール・ナデリ監督と、『メモリーズ・コーナー』ではフランス人監督オドレイ・フーシェと組んだ西島は本作で韓国のキム・ソンス監督とタッグを組んだ。日本だけでなく海外の映画人とも共闘する西島の想いとは? 本人に話を聞いた。

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本作は、自宅で妻が死んでいるのを発見した主人公・石神(西島)が、警察をかたる男たちから逃れ、妻を捜し求める中で、自分の記憶が何者かに“上書き”されていたことを知り、その真相にたどりつこうとする5日間を描く。

ひとくちに“映画撮影”といっても国や規模や監督が変わればルールや進め方は大きく異なる。西島は「アミールもオドレイさんもキム・ソンスさんも日本映画に愛情と尊敬の念を抱いている方たちです。撮影は本当に大変でしたけど。どの現場でもいろんな問題が起こるし、1シーン撮るためにみんなでモメて……」と笑うも「それでもある監督たちにとっては日本で撮影することが特別なことで『とにかく日本で撮影したいんだ』という想いがあってやっているので、そういうことにはやはり協力したいです」と語る。

これまでと異なる環境に身を置き、あえて過酷な現場で演技に挑む。自身よりもストイックに映画に取り組む映画人とタッグを組む。西島はそのことに意識的だ。「例えば、『CUT』の撮影時には監督は本当に寝ていなかったし、映画のためにすべてのエネルギーを使うから撮影の1か月半、本当に服を着替えてないんですよ。そういう人を見ているのは大きいです。それに疲れているシーンだったら『走ってきてくれ』と言われて、ずっと走って本当に疲れてきたらカメラを回すんです。それは大変ですけど、僕だけじゃなくて俳優さんであれば誰でもやりたいことだと思います」。それは新作『ゲノムハザード』でも同様だ。「自分の記憶がおかしくなりながら奥さんを探し求めて、暴力のプロからも逃げる話なので『実際に追いつめられてくれ』って監督も言ってくるんですけど、そういう現場にあたることは幸運なこと。映画というものが素晴らしいもので、そこには自分の全存在をかける価値があるものだっていうことを目の前で見せてくれる監督がいらっしゃるので、演技することは命をかけてやる価値のあるものなんだって思うようになったんだと思います」

どの国や監督の作品であっても「オファーをいただいて、監督とお話をして『この人は純粋にいい映画を作りたいんだな』って思って出演させていただく」そのプロセスは同じという西島。映画のために闘い続ける彼はこれからも映画ファンの信頼を集め続けるのではないだろうか。

『ゲノムハザード ある天才科学者の5日間』
1月24日(金) TOHOシネマズ六本木ほか全国ロードショー