多くの報道陣が集まった

BCNは4月12日、年度末商戦の振り返りと今後の展望として「デジタル家電復活へ、出発点はココにある」と題した記者会見をBCNのアカデミールームで開催した。

冒頭でBCN総研の道越一郎チーフエグゼクティブアナリストが、デジタル市場復活の起点についてコメント。「主役は40型以上、50型以上の大型・4Kテレビで、有機ELの構成比も拡大している。今年12月からスタートするBS・110度CSの4K・8K実用放送に向け、4Kチューナー搭載テレビが登場することで、市場の活性化に期待したい」と、大型の4Kテレビが市場をけん引している状況を説明した。

また、ノートPC市場はモバイル需要に特化した軽量ノートが好調。全国の主要家電量販店・ネットショップの実売データを集計した「BCNランキング」によると、2018年3月の1kg未満のノートPCは販売台数構成比が18%と約2割に迫り、NECと富士通の上位2社がシェアを伸ばしている。

デジタルカメラは、レンズ一体型(コンパクト)とレンズ交換型(一眼レフ、ミラーレス一眼)がいずれも販売台数・金額で、ほぼ毎月前年割れの厳しい状況が続くなかで、ミラーレス一眼に復活の起点が見いだせるとした。

レンズ交換型では、ついにミラーレス一眼が一眼レフを販売台数、販売金額で逆転し、市場構造が激変している。18年3月のレンズ交換型におけるミラーレス一眼の販売台数構成比は54.3%、販売金額構成比は50.5%と、いずれも一眼レフを上回り過去最高となった。

「レンズ交換型は3月の金額ベースで前年並みの98.9%まで回復してきた。平均単価も1年前の8.5万円から9.3万円に上昇している。いずれもミラーレス一眼が底上げしており、ミラーレスの18年3月の販売台数は前年同月比108.0%、販売金額で118.1%と前年を上回っている」(道越チーフエグゼクティブアナリスト)。

キヤノンが主力のKissをミラーレスに投入したり、ソニーのほぼ独壇場といえるフルサイズミラーレスが10万円以上する価格帯ながらキヤノンとオリンパスとの三つ巴のシェア争いを繰り広げたりするなど、今後もミラーレス一眼の活況は続きそうだ。

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。

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