10周年に向けての意気込み

以上、見事に9周年から10周年への架け橋を作ったエイトだったが、最後に忘れてはならないのは一貫している「エイターへの感謝」の姿勢だ。

今回のアルバムに収録された楽曲『All is well』は作曲・安田章大、作詞・関ジャニ∞でメンバーがそれぞれ自分の担当箇所に歌詞を綴った。エイトからエイターへ、今の気持ちを歌った”ラブソング”だ。

中でも丸山が綴ったパート、「その目の中に写ってる僕らは変わったかな/分からないんだ/だからこうして確かめるよ(略)届いてるよ/その声、想い、大切にするよ」という言葉には、今年で10周年という節目の年を迎えるメンバーの気持ちが集約されているように思える。

気づけば何本もレギュラー番組を抱え、メンバーそれぞれの持ち味を活かした活動の場も広がっている関ジャニ∞。今年は8周年に話題を呼んだ映画『エイトレンジャー』第2弾の公開も決定している。オーラスのアンコールでは生田斗真主演映画の主題曲に抜擢されている新曲『キング オブ 男!』も初披露した。

エイトは10周年もまた、成長した姿でエイターを驚かせてくれるだろう。しかし、この10年で成長したのはエイトのメンバーだけではない。エイトとともに、エイターも成長しているのだ。

9周年のライブツアー『JUKEBOX』を目の当たりにして、「アイドルとファン」という単純な関係性を超え、関ジャニ∞だからこそ培われた「エイトとエイター」の結束力を感じた。ときには誰よりも厳しくメンバーの姿を評価するエイター、そして全力でその視線に応えようとするエイト。ドームの空間を共有していたのは、アイドルと、そのアイドルの後を追うファンの姿ではなかった。お互いにこの場所へ引っ張り合ってきたという、対等なムードがある。

2014年、メンバーだけではなくエイターもともに大きな飛躍の年となるのではないだろうか。今後も新しい顔を見せてくれるだろう無限大の可能性を秘めた「関ジャニ∞」から、まだまだ目が離せそうにない。

 はなふさ・ゆう ライター。冨樫義博作品に育まれ研究生活を送るかたわら、ウェブポータルや雑誌で記事執筆をする自宅警備員。