『それでも夜は明ける』

本年度のゴールデン・グローブ作品賞に輝き、第86回アカデミー賞で9部門にノミネートされている感動作『それでも夜は明ける』の予告編が公開された。自由な身分をもつ黒人でありながら、理由なく捕らえられ、12年間もの間、奴隷として暮した男の衝撃の実話を映画化した作品だ。

予告編

本作は、ニューヨークで妻と子どもと共に幸福に暮していたソロモン・ノーサップが、ふたりの白人の裏切りによって拉致され、12年もの間、“奴隷”として苦しむも、生きる希望、家族と再会したいという望みを捨てずに懸命に生き抜こうとする姿を描いた作品。キウェテル・イジョフォーが主人公の苦しみを渾身の演技で体現するほか、マイケル・ファスベンダー、ベネディクト・カンバーバッチ、ブラッド・ピットらが共演する。

このほど公開された予告編では家族と幸福に暮していた主人公ソロモンがまたたくまに“奴隷”として扱われるようになるまでが描かれる。ファスベンダー演じる奴隷主は、ソロモンたちを容赦なく痛めつけ、そのおぞましい行為を自ら“遊び”と称する。ここにはハリウッド映画がこれまで描いてきたような夢はない。『SHAME -シェイム-』で高評価を集めた鬼才スティーヴ・マックイーン監督とスタッフは、実話を基に徹底的に“かつて本当に起こった恐ろしい出来事”を描き出す。

しかし、本作は全世界で265の映画賞の候補にあがり、100の賞を受賞している。単に“苦しみ”や“歴史上の事実”を描いているだけでは、ここまで観客や評論家の心をとらえることはないだろう。予告編の後半では主人公ソロモンが、地獄のような日々の中でも決して希望を失うことなく生き延びようとする姿が描かれる。調査に基づいた精緻な描写、知っているようで知らなかった衝撃のドラマの数々、観客の胸をうつ感動がすべてそろった本作は、本年度のアカデミー賞最有力作といわれている。

『それでも夜は明ける』
3月7日(金)TOHOシネマズ みゆき座他 全国ロードショー


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