<地域No.1店舗の売れる秘訣・ノジマ江戸川店>東京23区内初の郊外型店舗 新「ノジマ・スタイル」の構築へ

2014.1.28 11:47配信

これまで東京23区内では、大型ショッピングモールや複合施設へのテナント出店を進めてきたノジマが、2013年11月30日、初の郊外型店舗としてノジマ江戸川店をオープンした。出店から2か月のいま、近所に住む50歳以上のお客様を常連として確保しつつある。テナント出店とは異なった都市部での地域密着店という新しい「ノジマ・スタイル」を構築し、これを成功事例に23区内での出店を強化する構えだ。(取材・文/佐相彰彦)

ノジマ江戸川店

店舗データ

住所 東京都江戸川区大杉3-9-3

オープン 2013年11月30日

売り場面積 約1650m2

従業員数 25人

●子どもと高齢者が住む街 地域密着型の郊外店が最適

東京都江戸川区は、出産費資金の無利子貸与や15歳までの児童への手当支給、公園や施設の充実など、子育てにやさしい街といわれている。実際に0~14歳の人口構成比は14%程度と、東京23区中トップ。65歳以上の人口も13万超と東京区部では多いほうで、子どもと高齢者が多い地域として知られている。

こうした江戸川区の地域特性に合わせて、家電量販店は地域密着型の郊外型店舗を出店している。とくに江戸川区役所のある中央や隣接する松江周辺など、古くからの住民が多い地区の店舗は、品揃えや売り場づくりに工夫を施している。

国道14号沿いのヤマダ電機テックランド江戸川店は、量よりも質を追求した品揃えで差異化。コジマは、中央一丁目のNEW江戸川店をコジマ×ビックカメラ江戸川店にリニューアルした。デジタルカメラや関連製品を増やしたことに加えて、親・子・孫の三世代のお客様を狙って玩具やゲーム機器などの子ども向け商品の品揃えを充実させている。

江戸川区では、この2店舗が常連を確保して激しい競争を繰り広げているが、この激戦区に勝負を挑んだのがノジマだ。2013年11月30日、環状七号線沿いにノジマ江戸川店をオープン。これまでノジマは東京23区内では大型ショッピングモールや複合施設にテナントとして入るスタイルで出店してきたが、ノジマ江戸川店は初めての単独店だ。オープンセール後は集客に苦戦したものの、「ご近所を一軒ずつ回って、まずは来店してもらうことに力を注いだ」と、橋本修一店長は打ち明ける。その甲斐があって、年をまたいだ1月中旬頃からは、リピーターを確保しはじめている。

●近隣の60歳以上を常連に クルマでの来店増を目指す

環状七号線沿いのノジマ江戸川店は、105台の収容台数をもつ駐車場を完備、地上1~2階のフロア構成で、売り場面積は約1650m2と、郊外店として標準的な店舗だ。ただし、ノジマにとって23区内初の郊外型とあって、売り場づくりはこれまでとは違う。

まずは商品の展示場所。テナント店では、通常は入り口近くにスマートフォンを中心とする携帯電話関連コーナーを設置し、パソコンやデジタルカメラなどのデジタル機器関連のコーナーも、できるだけ入り口に近い場所に設けている。ところが江戸川店は、1階を生活家電のフロアにして、入り口近くには理美容品、その奥に冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機などを展示している。橋本店長は、「近くにお住まいの方を常連として獲得することが目的」という。この策は見事に成功し、とくに平日の50歳以上の主婦層や、60歳以上の高齢者をリピーターとして獲得した。通路をほかの店舗よりも広く確保し、通路のさまざまな場所にテーブルとイスを用意することで、「スタッフとコミュニケーションをとるために来店されるお客様も少なくない」(橋本店長)という。

通路を広くすると、多くの商品を展示できないというデメリットが生じる。しかし、「消耗品の展示を抑えることでカバーした」という。冷蔵庫など大型商材に関しては、競合店に負けない品揃えが売りで、とくに売れ筋の上位機種に力を入れている。

橋本店長によれば、「テナント店と比べると接客時間が長い」という。これは、「製品の各機能がどのような用途に合うのかを、お客様の生活シーンに合わせて説明している」からだ。しかも、お客様の多くは予算を設定して来店されるが、「お客様としては使いやすい商品がいいのはあたりまえ。予算に合致した商品の説明に加え、上位機種のメリットも説明している。結果として、それが最適だと認識していただいて、上位機種を購入するお客様は多い」という。

また、「どの展示製品も、基本的に電源を入れて使えるようにしてある。お客様に納得していただくには、動くところを目で見ていただくことが大切」と、デモンストレーションで実際に使い勝手を体験してもらっている。さらに、購入前にお客様に最適なサポートを提案することを重点項目に挙げている。

こうした取り組みで軌道に乗りはじめたノジマ江戸川店。橋本店長は、「環状七号線沿いで京葉道路も近いという立地を生かして、遠方からのお客様も呼び込みたい」と期待を語る。この店舗の成功が23区内での新たな出店戦略の構築、新しい「ノジマ・スタイル」の確立につながることになる。

●店長が語る人気の理由――橋本修一 店長

西新井店やイーアスつくば店など、これまでショッピングモールや複合施設のテナント店で業務に従事してきた。「郊外型店舗のやり方はまったく異なる。しかも、都市部の郊外店は交通の便がいいので、地方の店舗とも違う」。新しい店舗スタイルの構築に向けて、試行錯誤している段階だ。

スタッフは、ほとんどが新規採用。教育に力を入れながら、「他業界で店頭に立った経験をもつスタッフもいるので、新しい売り場づくりや接客が期待できる」と期待する。実際に、オープン2か月で、常連客から指名されるスタッフも出てきているという。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年1月20日付 vol.1514より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

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