(左から)ダニエル・ブリュール、クリス・ヘムズワース、ロン・ハワード監督

アカデミー賞を受賞したロン・ハワード監督が最新作『ラッシュ/プライドと友情』を引っさげ、主演を務める人気俳優クリス・ヘムズワース、ダニエル・ブリュールとともに来日し28日に、都内で記者会見を行った。

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1976年のF1世界選手権を舞台に、直感型の天才レーサーであるジェームス・ハント(ヘムズワース)と、冷静な判断力を武器に活躍するニキ・ラウダ(ブリュール)の火花散るレース争いと、ふたりの絆を描いたヒューマンドラマ。大事故から奇跡的な復帰を果たしたラウダと、生涯最大のライバルであるハントによるチャンピオンシップをかけた戦いは、富士スピードウェイで行われる日本での最終戦にもつれ込む…。

ハリウッドきっての力量で、数々の名作を世に送り出すハワード監督は「まず、キャラクターが魅力的。優れた俳優を起用し、素晴らしい演技を引き出すのは監督として大きな喜び」と本作に惹かれた理由を語る。さらに「当時の雰囲気を再現したり、観客にあたかもF1マシンに乗っているかのような感覚を味わってもらうことは素晴らしい挑戦だ」と熱弁。『アポロ13』『ダ・ヴィンチ・コード』『フロスト×ニクソン』といった作品群で培った“本領”を発揮できる題材と判断したことも大きな理由だったようだ。

初来日したヘムズワースは、F1ドライバーになりきるため4~5週間にわたるトレーニングを受けたそうで「とてつもない経験だった。生死をかける彼らは、まるで戦闘機のパイロットだよ」と述懐。自身が演じたハントに関しては「彼の正直さは尊敬に値する。コースの内でも外でも、何をしでかすかわからない男を演じるのは楽しいこと」と語った。

ブリュールは存命中のラウダに直接会い、助言を得ることができたといい「今まで出会った人物のなかで、最も偉大な人物」と尊敬の念。「大事故から生還し、誰もが羨むような人生をおくる存在で、今後も僕の人生を鼓舞し続けてくれるはず。そんな人物を演じるのは、俳優としても名誉だよ」と話していた。

『ラッシュ/プライドと友情』
2月7日(金)よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー

取材・文・写真:内田 涼