レオナルド・ディカプリオ

主演最新作『ウルフ・オブ・ウォールストリート』で実在の株式ブローカーを演じ、オスカー候補となった米俳優レオナルド・ディカプリオが29日、作品にちなんで東京・日本橋の東京証券取引所で来日記者会見を行った。「主人公みたいに巨万の富を得たら? ジャングルや熱帯雨林、サンゴ礁を買い取って守りたい」と環境保護への熱い思い。本作を最後に、しばらく俳優を休業すると報じられているが「また、すぐに戻ってきます」とだけ話した。

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ディカプリオとマーティン・スコセッシ監督が5度目のタッグを組み、1980~90年代のウォール街で、20代で証券会社を設立して億万長者になるも、証券詐欺の違法行為で逮捕されたジョーダン・ベルフォートの回顧録を映画化。第86回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、脚色賞の5部門にノミネートされており、会見にはディカプリオと並んで、アカデミー賞候補に挙がったスコセッシ監督、共演するジョナ・ヒルが出席した。

共同プロデューサーも兼ねたディカプリオは「こうしたリスキーな内容が、ハリウッドのスタジオから生まれ、アカデミー賞で評価されたのはうれしい限り。受賞の行方はまったくわからないが、作品を完成させただけで受賞に値する」と誇らしげな表情だった。監督にスコセッシを“指名”したのもディカプリオだといい「登場人物の心の闇を、遠慮なくあぶり出せるのは彼しかいないよ」(ディカプリオ)。

当のスコセッシ監督は「レオの情熱が背中を押してくれたよ」と振り返り、「実在の人物を描くのは初めてじゃないし、単に事実を描くのではなく、主人公の精神や考え方をスクリーンに投影したかった」と本作をアピールしていた。

一方、2度目のアカデミー賞助演男優賞候補になったヒルは「ここにいるふたりの天才と一緒にノミネートされたのが名誉なこと。もちろん撮影は素晴らしい体験だった」と感無量の面持ち。共演したディカプリオを「周囲を高めるアメージングな俳優」とたたえていた。

『ウルフ・オブ・ウォールストリート』
1月31日(金) 全国ロードショー

取材・文・写真:内田 涼