4月15日にオープンした「LFS池袋」に期待をかける関係者(左から、リールベルト コーチ、nazomen監督、ShoboSuke氏、みずイロ氏)

東京・池袋に誰でも気軽にeスポーツを楽しめる施設「LFS(ルフス) 池袋 esports Arena(LFS池袋)」が4月15日、オープンした。企画したのはサードウェーブで、運営は同社のグループ会社5E。個人利用だけでなく、イベントや大会も開催できる同施設は、現役のeスポーツ関係者の目にはどのように映っているのだろうか。

4月12日の内覧会のトークセッションには、eスポーツ大会やイベントを開催し実況を務める、みずイロ氏とShoboSuke氏、プロeスポーツチーム「CYCLOPS athlete gaming」のnazomen監督と「Rascal Jester」のリールベルト コーチが登場。みずイロ氏は、「とても広くて驚いた。オフラインイベントを開催する立場としては、これまでPCを使うイベントは展開しにくかったが、LFS池袋を使えば定期的に開くことができる。いくつもの新しいコミュニティが生まれる交流の場になって欲しい」とコメントした。

ShoboSuke氏は、「100台の高性能ゲーミングPCが揃っている光景がすばらしい。実況席と選手席が別々の防音室に設置されており、実況の声が選手に聞こえてしまう心配がないため、思い切り観客に戦況を伝えることができる」とし、「選手としてはファンに応援してもらうことも大切なので、互いの距離が物理的に近いだけでなく、心理的にも近づけばいいなと思う」と語った。

nazomen監督は、「知る限りで、防音の選手席が設置されているゲーム施設を日本で見たことがない。海外で見ることはあったが、日本からは遠い席だった。これが設置されたことで、日本でeスポーツが盛り上がってきたと実感できる」と述べ、「据え置き型のゲームを使ったeスポーツが増えているので、人気のゲーム機を置いたらもっと広くプレーヤーを集められるのでは」と提案を投げかけた。

実際に選手席に入りヘッドホンを装着してみたリールベルト コーチは、「試合に集中できる環境が整っている。また選手として戦いたくなってしまう」と興奮気味に話した。監督目線からは、「相手と同じ環境で練習試合をすれば相手との反省会もはかどるので、日本選手のクオリティも上がるはず。また、オフライン大会の雰囲気には慣れが必要なので、ここでの試合が練習になる」と期待した。

日本にはすでに、SANKOが運営する「e-sports SQUARE」などのeスポーツ施設はあったが、誰でもいつでもeスポーツを気軽に楽しめる空間や、常設の選手用防音室はなかった。これらを埋めるように新たな試みを取り入れた「LFS池袋」は、現役の関係者の目には魅力的に映っていたようだ。

企画したサードウェーブは、同施設を通じて消費者にeスポーツが身近なものだと感じてもらい、ライトな競技人口の増加を図る。今後もノウハウを蓄積しながら、業界の底上げに向け取り組む姿勢だ。