9月から発行するNFC搭載のイオンカード(イメージ)

クレジットカードで、電子マネー同様の「タッチ決済」を導入する動きが加速している。非接触通信技術「NFC」を用いる方式で、3月に日本マクドナルドが全国導入を開始した。4月16日には、イオンがビザ・ワールドワイド・ジャパンと組むことを発表し、イオングループ各社の店舗で、2019年度をめどに順次クレジットカードのタッチ決済に対応する計画を明らかにした。

従来、クレジットカードを利用して買い物をする際は、店員がカードを決済端末に通し、磁気ストライプやICチップの情報を読み取っていた。これに対してNFCを用いる決済では、電子マネー同様、顧客が自分でカードを端末にタッチし、暗証番号を入力することで決済が完了する(少額決済時は暗証番号不要とする店舗もある)。カードが店員の手に渡らないためセキュリティが高いほか、NFC搭載スマートフォンをカード代わりに利用できるサービスも実現できるため、利便性が向上する。

イオンでは19年3月から20年3月にかけて、イオンリテールおよび、コンビニエンスストアのミニストップ、スーパーのマックスバリュ、まいばすけっと、ドラッグストアのウェルシアなど、グループ各店舗のレジにおいて、ビザのNFC決済への対応を順次進める。また、現在顧客が保有するのはNFC非搭載のクレジットカードがほとんどだが、18年9月からはNFC対応のイオンカードを発行し、レジ側・カード側の並行でNFC対応を進める。

政府は、25年までに国内のキャッシュレス決済比率を40%まで引き上げる目標を掲げており、小売りや決済サービスを提供する各社もこの動きに沿うかたちで、現金以外の決済手段の導入を推進している。国内小売り最大手のイオングループがクレジットカード決済のタッチ化に舵を切ったことで、流通業界全体でタッチ決済の普及が加速しそうだ。