幸せな人を見ると自分も幸せな気持ちになります

撮影/小嶋文子

――セラピストの3人はお客さんに癒しを届けていますが、皆さんが癒しを求めるのはどんなときですか。

川村:むちゃくちゃ疲れているとき(笑)。

――体力的に?

川村:それは(心身)両方ありますね。身体的な疲れであればトレーナーさんのマッサージを受けるとかがありますけど、精神的な疲れのほうだったら、僕、癒しってそんなにないんですよね。ゲームが趣味ではあるんですけど、ゲームで気が晴れるわけではないなって。

――ゲームって頭も使いますし、負けたりしたらストレスも溜まりますしね。

川村:だからそういうときはやっぱり人だなとは思います。支えてくれる周りの人の存在は大きいですね。あとはインスタの関連で出てくるやつ(笑)。あれがヤバイ。最近で言うと、子犬が寝落ちして倒れるってやつがあって、それを観たときは笑いました。めっちゃ可愛かったです。

©2023 HI-AX「MY (K)NIGHT」

RIKU:忙しくなると今日が何日で、何曜日で、何をする日かもわからなくなるときがあって。前日に次の日のスケジュールを確認してアラームをセットするのに、起きたとき、「なんでこんな早く起きたんだっけ?」ってなることがある。

そんなときは疲れているんだなって自覚します。だから長い休みが取れたらうれしいなとは思いますけど(笑)、僕も動物関連の動画で癒されています。

動物園のレッサーパンダが仁王立ちになって、ぶどう欲しさにお客さんに目でアピールしているやつがめっちゃ好きで。撮影をしているお客さんのほうも、レッサーパンダがかわいいから要求されるとぶどうをあげるんですけど、3、4回噛んだらすぐに飲み込んじゃうからエンドレスになってて。それはかなり癒されました(笑)。アニマルセラピーってありますしね。彼らはホントにすごいパワーを持っていると思います。

撮影/小嶋文子

吉野:僕は癒しがほしいときはとにかく外に出ます。

RIKU:確かによく出てるね。

川村:好きな印象あるわ。

吉野:外が好きなんですよね。けど、天気に左右されやすくて。今日は晴れているので最高の気分です(笑)。逆に雨が降ってる日は、それだけでテンションが下がります。ただ僕自身が雨男という(苦笑)。

それ以外だと美味しいものを食べることとか。疲れてくるといろんなことが溜まってきて、余計なことを考えたり、悩んだりするようになるじゃないですか。だから僕は外に出ていろんなものを見たり、美味しいものを食べたりして、考えないようにしています。

単純にリラックスもできるけど、一旦、考え事から距離を置くことも大事だと思うので。

それから、幸せな人を見ると自分も幸せな気持ちになります。例えば、結婚されていたり、家族がいる方の、何気ない生活の中での幸せそうな姿を見ると、素敵だなと思いますし、憧れます。いつかは自分もって思いますね。

RIKU:それはわかる。近所で見かけたんですけど、おじいさんが片手で杖をついていて、反対側の手でおばあさんと腕を組んで歩いてデートをしていて。

川村:最高過ぎる。

吉野:いいね。

RIKU:多少足腰が弱ってきていても、2人で腕を組んで、笑い合いながら歩いている姿を見たとき、「うわっ、いいな~」って。思わず写真を撮りたくなるくらいでした。自分の祖父母も仲が良かったので、自分もこういうおじいさんになれたらいいなって思いましたね。

撮影/小嶋文子

――壱馬さんもこんなふうに人から癒しを得ることってありますか。

川村:ちょっと癒しとはまた別のことだとは思うんですけど。僕は自分の思想が強かったり、考え方がちょっと変わっていたりして。ただそれでもその考え方が揺らいだり、落ち込むことはあるんですね。

そういうときは、自分が過去に受けたインタビュー記事とか、動画を見て回復することはあります。

――自分の原点を見つめ直すような?

川村:そういう部分もありますし、自分ってもともとこういう強気な姿勢でやってるよなって。それを確認することで落ち込んでいられなくなるんです。不思議な感覚ではあるんですけど、喪失していた自信も回復できたりします。自分で言うのもちょっととは思うんですけど、自分の考え方が好きなんですよね(苦笑)。

――過去の自分が今の自分を奮い立たせて、今の自分がきっと未来の自分を奮い立たせるんですよね。素敵ですね。

川村:単純に成功者の言葉とかのときもありますけど。自分と同じような考え方に触れると、一度はそんな状態でいられないってなっても、わりと回復はできますね。


普段からグループ活動をともにしているだけに、取材中もお互いのことをわかっているからこその間や、エピソードがたくさんありました。そのおかげで、短い取材時間にもかかわらずたっぷりとお話を伺うことができました。

映画はそんな3人が“デートセラピスト”としてお客様である女性を癒すという物語。3人3様の物語が描かれていますが、それぞれのエピソードに癒しを感じられる瞬間があります。ぜひ劇場で最高の癒しを体感してください。

作品紹介

映画『MY (K)NIGHT マイ・ナイト』
2023年12月1日(金)より全国公開