<地域No.1店舗の売れる秘訣・エディオン名古屋本店>リニューアルで新しい客層を獲得 地域密着型の店舗を都市部で構築

2014.2.3 13:8配信

かつて名古屋を本拠地としていたエイデン(現エディオン)。その旗艦店であるエディオン名古屋本店が、2013年6月に実施した移転リニューアルオープンで新しい客層を獲得している。売り場面積を約1.5倍に増床してデモコーナーを充実させ、カルチャー教室を開いて商品の使い勝手を存分に体験できる環境を整えた。他社が駅前に都市型店舗を出店して競争が激しくなるなか、地域密着という郊外店の要素を都市部で構築することで差異化を図る。(取材・文/佐相彰彦)

エディオン名古屋本店

店舗データ

住所 愛知県名古屋市中村区名駅南2-4-22

オープン(移転)日 2013年6月14日

売り場面積 約5700m2

従業員数 約100人(アルバイト含む)

●名古屋駅前がショッピングの街に 都市型店舗でシェア拡大へ

今、名古屋市内で最も活気のあるショッピング・オフィス街は、JR名古屋駅周辺だ。2000年に開業した54階建ての駅ビル、JRセントラルタワーズには、ジェイアール名古屋タカシマヤや名古屋マリオットアソシアホテルをはじめとする商用施設・店舗・オフィスがテナントとして入る。この建設を機に駅前の再開発が進み、駅周辺にオフィスや店舗が集まるようになった。大ターミナルの名古屋駅、日本有数の規模を誇る周辺地下街の存在と相まって、駅周辺は市内で最も多くの昼間人口を抱える地区になった。

集客力が高い駅周辺には、家電量販店も集まる。ビックカメラは、2003年11月に名古屋駅西店をオープン。新幹線のホームに近い太閤口の目の前という立地と1万5000m2規模の広い売り場で、平日には会社員や学生などが多く来店する。ヤマダ電機は、2011年10月、名古屋駅近くの名鉄百貨店本店ヤング館の跡地に、都市型店舗のLABI名古屋を出店。市内にある9店の郊外型店舗、テックランドの固定客が、駅前を買い物で訪れた際に来店するというサイクルを築いている。ヨドバシカメラは、2027年のリニア中央新幹線開業に向けてJR東海とジェイアールセントラルビルが建設を進める名古屋駅新ビルに、2016年の開業と同時に出店する。

こうした動きのなか、名古屋を本拠地にして、地元住民からの信頼を得ている店舗がエディオン名古屋本店だ。2013年6月14日に、5700m2という旧店舗の約1.5倍の売り場面積でリニューアルオープンした。ビックカメラ名古屋駅西店やヤマダ電機LABI名古屋よりも駅からは遠いが、新しい客層を次々と固定客として確保。リニューアルの効果が現れている。

●駐車場完備で遠方の来店者が増加 体験型の売り場づくりを重視

エディオン名古屋本店は、もともと名駅四丁目の名古屋市道江川線沿いにあった。その店舗を、約600m南へと移転。移転前よりも駅から離れることになった。住田徳也店長は、「これまでと同様、名古屋駅を利用するお客様が来店してくださっているだけでなく、400台を収容する無料駐車場によって、新しいお客様を呼び込むことができている」と、客層が変化したと説明する。名古屋市は、ほとんどの市民がクルマを利用する。駅前の家電量販店は、提携駐車場はあるものの、5000円以上で1時間無料など、商品の購入金額に応じて駐車場の料金が変わることが集客の課題になっている。エディオン名古屋本店は、これを自前の駐車場で解決したわけだ。「これまでは近くにお住まいの方や駅前のオフィスにお勤めの会社員の来店が多かったが、駐車場を完備したことで、遠方からの家族連れが来店するようになった。お客様の4割程度がクルマで来店される」そうだ。

売り場面積が移転前の約1.5倍になったことで、「お客様に商品を体験していただく機会を増やすことに力を注いでいる」(住田店長)という。例を挙げれば、カルチャー教室「エディオンクラブ」の開催だ。製品検討段階でのお試しや、購入後の活用方法をお客様が体感できるように、最新機器を使用して「デジタルカメラ教室」「スマートフォン教室」「調理教室」など、さまざまなプログラムを用意した。

各フロアのデモコーナーも充実させた。「家族連れが多いことから、とくに主婦が気軽に体験できるように工夫している」という。具体的には、キッチンやバス、トイレなどを試す省エネライフの提案コーナー「エコライフプラザ」や、理美容品とマッサージチェアを一つにまとめた女性向けコーナーを設置している。こうした取り組みで、「移転前は、駅周辺の店舗の特性として、売上構成比はデジタル製品が圧倒的だった。今もデジタル製品の売り上げは伸びているが、それ以上に白物家電の売上構成比が順調に高まってきている」と、狙い通りの成果を上げている様子だ。

固定客の確保にも余念がない。移転前から主力商品の一つだった高級オーディオは、「新しく防音室を設けたことで、音にこだわるお客様がさらに多くなった」と満足げだ。

これまで駅前の他店とはデジタル製品で競争していたが、白物家電が伸び、高級オーディオなど、他店では扱っていない商品を武器に他店との差異化を実現したエディオン名古屋本店。「都市部で地域密着型の郊外店を目指す」という方針を掲げ、さらに足場を固める。

●店長が語る人気の理由――住田徳也 店長

駅周辺では類をみない大型駐車場と、来店者を楽しませる体験型の売り場づくりを徹底的に行うことで、家族連れを中心に遠方からのお客様が増えた。しかし住田店長は、「固定客として確保するためには、スタッフの力が一番のカギを握る」ことを念頭に置く。「多くのお客様の信頼を寄せてくださるのは、名古屋が本拠地ということが最も大きな理由。この期待に応えるために、他店よりも質の高い接客やサポートを提供しなければならない」として、ブライダルや新生活など、一括購入の若者向けコンシェルジュサービスや、65歳以上を対象とした電球1個でも自宅まで訪問する配送など、サービス/サポートを充実させている。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年1月27日付 vol.1515より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

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