山田孝之が『フル・モンティ』で抜群の歌唱力を披露

2014.2.4 11:39配信
ミュージカル『フル・モンティ』  (c)taro ミュージカル『フル・モンティ』  (c)taro

ブロードウェイでロングランを続けた人気ミュージカル『フル・モンティ』が、初の日本オリジナルバージョンとして上演。1月31日、東京国際フォーラム ホールCで幕を開けた。

ミュージカル『フル・モンティ』チケット情報

鉄工所が閉鎖され、失業者たちが町に溢れるバッファロー。ジェリー(山田孝之)もそんな職を失ったひとりで、離婚した妻パム(佐藤仁美)に息子の親権を奪われそうになっている。一方今女性たちを夢中にしているのは、マッチョな男たちによるストリップショー。その過熱ぶりを目の当たりにしたジェリーは、仲間を集め、一攫千金を狙った一夜限りのストリップショーを決行しようとするのだが……。

山田孝之の初舞台にして初ミュージカルということで注目される本作。映像作品での山田の実力は周知のことだが、果たして舞台というライブで、さらに歌が大きな割合を占めるミュージカルで果たして……? そんな懸念は、早くも冒頭シーンで払拭されることとなる。大柄ではない山田だが、観客の目を自然と引きつけてしまうスター性。芝居の巧さはもちろん、歌声は伸びやかで非常に力強い。その初舞台とは思えない堂々たる姿に、山田孝之という俳優が持つ底力を思い知らされた。

さらにもうひとつの大きな魅力は、演出・翻訳・訳詞をコメディの名手、福田雄一が手がけているということ。福田らしいバカバカしい小ネタをこれでもかと詰め込みながら、テンポは軽快で、3時間という上演時間はあっという間に過ぎてしまう。しかもそれを演じるのは、山田を始めムロツヨシや中村倫也ら、福田の笑いを熟知したメンバーたち。それが福田作品初参加メンバーにもいい影響を与え、特にヴィッキー役の保坂知寿は、これを機に高いコメディセンスを開花させた。

そうして思いっきり笑った後、ふと気づかされることがある。それは本作が“愛”の物語だということ。ジェリーと息子の親子愛、デイブ(勝矢)とジョージー(大和田美帆)、ハロルド(鈴木綜馬)とヴィッキーの夫婦愛など、このストリップショーを通し、それぞれがそれぞれに対する愛を再確認し、深めていくのである。

それゆえ彼らがラストで見せる、“フル・モンティ=すっぽんぽん”には大きな意味がある。彼らが目指したのは、あくまで“本物の男”たちによるストリップショー。しかも文字通りの裸一貫、再起をかけたショーである。だからこそすべてをさらした彼らの裸には、笑える以上の、強く心に訴えかけるパワーがある。

公演は2月16日(日)まで東京国際フォーラム ホールCにて。チケット発売中。

取材・文:野上瑠美子

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