――作品という要素も多いと思いますが。

村主 そうですね。例えば、私が滑る「白鳥の湖」と違う人が滑るのでは全く違います。私という人間が「白鳥の湖」をどう考えたか、どう感じたかという部分が重要なんです。人間性も出ます。最初のジャンプで失敗するとします。その後、どう立ち上がるか。明るく笑顔で立ち上がるのか、焦ってものスゴイ形相で立ち上がるのか。そこに人となりが出てくる。

――奥が深いですね。

村主 人生の勉強です。

――今回、ソチ五輪のフィギュアでは日本人選手のメダル量産も期待され、人気が高まっていますが、どうお感じになられていますか。

村主 私が始めた頃と比べると、考えられないくらいたくさんの方がフィギュアスケートを見てくださるようになって、とても感謝しています。専門用語や点数の付け方を理解しているようなコアなファンも増えてきています。

――今回のフィギュアの見どころは?

村主 日本は4年前のバンクーバーよりも男女ともレベルが上がり、層も厚くなりました。全員がメダル争いに食い込んでくると思います。また、今回から採用された団体戦も楽しみですね。どの選手を起用するのかも興味深いです。日本はシングルが強いですが、ペアやアイスダンスはロシアやカナダが本当に強い。どう戦っていくかは、気になります。最初に行われる団体戦でいい流れを作ってもらえたらいいですね。

――フィギュアのほかに注目されているのは?

村主 ジャンプの葛西紀明選手。7大会連続五輪出場の41歳。ただただ、頭が下がります。私のように長く競技を続けているアスリートだけでなく、世の中のお父さんたちにも大きな励みになるのではないでしょうか?

――日本を明るくしてくれますね。

 

村主 そうですね。ベテランになってくると、どうしても回復力が落ちてくるんです。でも、食事や、マッサージなど、工夫次第でやっていけるということを証明してくれました。勉強になったというか、まだまだ私もやれるという気持ちにさせられました。

葛西さんが主将を務める今回の日本選手団。フィギュアスケート、スキージャンプのほかにも、スピードスケート、ショートトラック、カーリング、ノルディック複合など、活躍は大いに期待できますので、みなさんいっしょに応援しましょう。