【漫画】平清盛、漫画ではどうなってる?

2011.12.30 6:00

歴史に「もし……」はあ りませんが、平清盛がもう少し長生きをしていれば、その後はどうなっていたでしょうか。

2012年のNHK大河ドラマでは「平清盛」が放送されます。これは1972年に放送された『新・平家物語』から40年を経ての平家の再登板となります。主役の平清盛には、人気実力とも絶好調の松山ケンイチがキャスティングされました。また周囲の女性キャストも深田恭子、武井咲、成海璃子、加藤あい、和久井映見など豪華な顔ぶれです。

さて平清盛をはじめ平家一族は、歴史上において今ひとつ評判が良くありません。源氏と平家の争いにおいて勝者となり、鎌倉幕府を開いた源氏に賞賛が 集まることが多く、八面六臂の活躍をしながら悲劇の最後となった源義経の存在も大きいでしょう。しかし近年では清盛の業績が再評価されつつあります。行き 詰まりを見せていた貴族政治を打破し武家社会の基礎を作った革新者であり、交易や商業に目を向けた先見性の持ち主でもありました。歴史に「もし……」はありませんが、平清盛がもう少し長生きをしていれば、その後はどうなっていたでしょうか。

ここで平清盛を取り上げた漫画を紹介したいと思います。
 
まず講談社の「月刊少年マガジン」で連載されていた『遮那王義経』(沢田ひろふみ)です。
源義経が幼くして亡くなり、その後活躍したのは身代わりの少年だったと言うストーリーです。身代わりであっても、主役はもちろん義経なのですが、太政大臣となった清盛が重要なキャラクターと して登場します。清盛は為政者として辣腕を振るいながらも、民の視点を忘れることなく、義経に対して民を託す遺言を送ります。その姿はまさに理想を追い求 めながらも、途中で倒れる無念さを滲ませるものがありました。

『遮那王義経』はコミックス22巻で終了。現在は『遮那王義経 源平の合戦』と改題して、源氏と平家の争いを中心に描いています。
成長した義経ですが、史実通り必ずしも恵まれた環境に居るわけではありません。彼に言葉を残して亡くなった清盛を思い出す場面がありそうですが、それはどんなシーンになるのでしょうか。

次は『三国志』など数々の歴史物を描いた横山光輝氏の『平家物語』です。

こちらは原作とした平家物語をほぼ忠実に漫画化してあるのですが、 中公文庫マンガ日本の古典でコミックス3巻にまとめてあるため、いくらか割愛してある部分もあります。平家物語をそのまま漫画にすれば、少なくともコミッ クス10巻分は必要になりそうなので、その点は仕方のないところでしょう。

 

清盛を中心に描いてあることろは、今回のNHK大河ドラマと重なる部分が多いので、あらかじめストーリーを頭に入れておきたい人にはちょうど良いと 思います。また先に「評判が良くない」と書きましたが、この横山平家物語では、平家や清盛の良い面も悪い面も公平に描いているように感じます。そう言ったところは古典に軸足を置きながらも、横山光輝氏ならではのアレンジが加えられていると思って良さそうです。この『平家物語』を含めたマンガ日本の古典の全32巻は、平成9年度の第1回文化庁メディア芸術祭にて漫画部門の大賞を受賞しています。それを見ても完成度の高さが分かるのではないでしょうか。

最後に『火の鳥 乱世編』(手塚治虫)を紹介します。

題名の通り有名な『火の鳥』シリーズの一節で、平家物語や義経記などをベースにしなが ら、手塚流独特の演出が随所に加えられています。主人公は木こりの弁太です。名前で推測できるかもしれませんが、漫画内では義経の郎党である弁慶の役割を 演じます。弁慶そのものが、歴史上では明確になっていない人物であるので、無名の人間を配したのは面白い設定とも言えるでしょう。

 

この作品に登場する平清盛は、位人臣を極めながらも、どこか孤独な人間として描かれています。敵対する源氏はもとより、貴族にも反目され、同じ平家 の一族とも反りが合わないため、まさに孤軍奮闘しています。また清盛と義経をライバル関係において、輪廻に組み込んである演出も加えられています。最後ま で読むと『ああ、なるほど』と思える読者が多いのではないかと思います。

今年は『水戸黄門』シリーズが終了するなど、時代劇ドラマの先細りがニュースになりました。最後の砦とも言うべきNHKの大河ドラマは、1つの物語 を約1年かけて放送するためじっくり楽しむことができます。そのためにも漫画で平家物語を知っておいても良いのではないでしょうか。

あがた・せい 約10年の証券会社勤務を経て、フリーライターへ転身。金融・投資関連からエンタメ・サブカルチャーと様々に活動している。漫画は少年誌、青年誌を中心に幅広く読む中で、4コマ誌に大きく興味あり。大作や名作のみならず、機会があれば迷作・珍作も紹介していきたい。

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