●大型時計はどんどん小型化されてゆく

14世紀までは、時計は修道院や教会などの公共設備にある大型のものばかりでしたが、15世紀にゼンマイが発明されてから小型化されていきます。

 

このように、テーブルクロックが登場することで、家庭にも時計が普及するようになりました。その後、目覚ましい技術開発が進み、15世紀末には携帯時計が登場します。

当時の携帯時計は、ペンダントのように首からぶら下げたりしていたそうなんですね。でもよーく見てください。時刻を示す針は1本しかありません。当時は、時計はアクセサリーやジュエリーといった位置付けで、時計としてはあまり役に立っていなかったようです。

 

 

●時計の精度が求められた16~18世紀

16世紀から18世紀にかけて、時計は目覚ましい進化を遂げ、時刻を正確に表すことができるようになります。

この懐中時時計には秒針が付いています。18世紀には、振り子やヒゲゼンマイといった発明があり、時分秒まで表示することができるようになったのです。今では当たり前ですけどね。

 

また、この頃は装飾も一層派手になっていきます。

「ペインティング・エナメル技法」の開発により、時計に細かな絵が描かれるようになりました。風景や神話のワンシーンなどが色鮮やかに描かれています。この時代、時計の精度と装飾が一気に花開いたのです。なお、派手な装飾の時計は中国市場向けに作られたものが多かったようです。

●産業革命後は多機能な時計が主流に

産業革命が起こり、時計の世界も変わりました。

効率化により生産量が劇的に増加。それに伴い庶民にも手に入りやすい価格の時計が出回り始めます。このころ、ゼンマイを巻くために必要だった鍵に変わり、竜頭が登場。スマートにゼンマイを巻くことができるようになります。

 

また、クロノグラフの登場もこの時代。

元々は馬のブリーダーの要望から生まれた時計ですが、医者やエンジニア、実業家などにも広まっていきました。この頃から、世界時計やアラームといった、多機能なものが増加。

 

ムーンフェイスもこの時代にはすでに登場していたようです。

  

技術が進むに連れて、指輪型の時計や極薄の時計なども登場。そして1875年ごろには、腕時計も登場しました。