<地域No.1店舗の売れる秘訣・グッドウィルEDM>パソコンとサブカルチャーが柱 人が集まる「楽しい店」を目指す

2014.2.10 12:20配信

江戸時代は大須観音の門前町として賑わった名古屋市の大須界隈に、商店街ができたのは大正時代。以来、市内でも随一の繁華街として、地元住民が足繁く通うだけでなく、名古屋の代表的な観光名所にもなっている。その地で、グッドウィルEDM(エンターテイメントデジタルモール)は、パソコン専門店でありながらサブカルチャー関連商品を武器に、パソコンやフィギュアのマニア、観光客など、さまざまな人が集う楽しい店を目指している。(取材・文/佐相彰彦)

グッドウィルEDM

店舗データ

住所 愛知県名古屋市中区大須3-12-35

オープン日 2001年11月23日

主要顧客層 パソコンやフィギュアなどのマニア、観光客

従業員数 約15人(アルバイト含む)

●幅広い年齢層が集まる街 パソコン専門店は激減

大須商店街は、若宮大通、伏見通、大須通、南大津通の四つの通りに囲まれ、大須観音や万松寺などの下町情緒の溢れる街並みに加えて、若者向けのファッション関連のショップ、地元住民向けのスーパー、観光客向けのグルメスポットなど、多くの店舗が軒を連ねている。

1970年代後半には、東京・秋葉原や大阪・日本橋と肩を並べる日本三大電気街として名を馳せたが、それも今は昔。地下鉄大須観音駅と上前津駅の中間にあって交通の便がいいとはいえない大須商店街の電気店やパソコンショップは、大手家電量販店が市内の主要地区に続々と出店したことで客を奪われ、2000年以降、次々と閉鎖に追い込まれた。今では、電気街の面影はほとんど残っていない。

現在、生き残っているパソコン専門店といえば、大手ではドスパラ名古屋大須店とツクモ名古屋1号店くらい。両店とも、自社ブランドのオリジナルパソコンで固定客を確保している。中古パソコンの販売も堅調だが、基本的に大須商店街を訪れるパソコンユーザーが減っていることから、厳しい状況であることは否定できない。

そのなかで、パソコン専門店としての業態を残しながら、フィギュアやキャラクターグッズなど、サブカルチャーの要素を加えることによって堅調な実績を積み重ねているのが、ユニットコムグループのグッドウィルEDMだ。溝口英親店長は、「大須商店街は、街全体で楽しさの演出に力を入れている。さまざまな要素のある街の発展に寄与するために、われわれも取り組みを進めている」とアピールする。

●気軽に来店できる環境を構築 楽しめる空間づくりへ

グッドウィルEDMは、地下1階/地上5階建て。地下1階以外は、各階が通路をはさんで「A」「B」の二つのフロアに分かれているユニークな構造だ。

地上1階Aがスマートフォンアクセサリや中古のスマートフォン、2階Aがパソコンや組み立てパソコン用パーツ、2階Bがソフトウェアやサプライ品などのフロア。溝口店長は、「パソコンパーツの品揃えに関しては、どの店舗にも負けない」と自信をみせる。

パーツの充実は、主力商品のカスタムメードパソコンの販売につながっている。「例えば、マザーボードを豊富に揃えていることで、お客様からは『納得のいく性能を搭載できる』と評価をいただいている」という。とくに、2013年10月に発売した「iiyama」ブランドの販売が好調だ。「消費税改正やWindows XPのサポート終了なども重なって、販売は前年を上回っている状況」と、溝口店長は満足げだ。

3階より上のフロアでは、パソコンユーザーではなく、サブカルチャーファンを獲得している。3階Aでは、キャラクターグッズを販売。そして4階Aフロア・5階Bフロアの2フロアで展開しているのが、絶大な人気を誇るコスプレスタジオ「Oh!-Sta(オースタ)」だ。このスタジオで、お客様は持参したコスチュームを着用して、自由に撮影を楽しむ。「『自宅で撮影するのは恥ずかしい』『仲間同士で気軽に撮影できる場所がない』などの声に応えて設置した。学生を中心に、予約が絶えない」(溝口店長)という。また、4階Bのコスプレ喫茶は、外国人観光客も多い人気スポットだ。

イベントでの集客にも取り組んでいる。地下1階にライブホール、3階Bに多目的スペースを設けて、アイドルグループのライブや握手会、落語家や芸人による寄席などを開催している。「イベントは週末が多く、アイドルのライブには学生、寄席には60歳以上の方など、幅広い年齢層のお客様がいらっしゃる」という。

イベントの参加者には、店のことを知らない人が多い。来店していただくことで、グッドウィルEDMがパソコン専門店であることを知ってもらおうと、まずはお客様との接点づくりとして、「ライブのお客様向けに、入り口でケミカルライトを販売している」という。また、1階のレジ横にある1000円未満のキャラクターグッズは、「イベントの参加者や外国人観光客が来店したついでに購入していく」。ついで買いのお客様のなかから、次の来店でパソコンを購入する例が出てきている。グッドウィルEDMは、楽しい空間づくりで、パソコンユーザーとは異なる層をお客様として確保しつつある。

●店長が語る人気の理由――溝口英親 店長

「大須商店街はどんどん観光地化している」というのが、溝口店長の印象。「パソコン専門店だからといって、パソコンだけを販売していたのでは意味がない」と捉えて、サブカルチャーの要素を多く取り入れた売り場づくりに取り組む。1年ほど前は、パソコン・関連商品のフロアが7割、サブカルチャーのフロアが3割だったが、今は逆転している。

もちろん、これは主力商品であるパソコンをないがしろにする活動ではない。「むしろ、パソコンにあまりくわしくないお客様に興味をもってもらうことが目的」だという。新しい客層を店舗に招き入れ、パソコンの販売を増やしていくことがグッドウィルEDMの使命になっている。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年2月3日付 vol.1516より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

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