実は簡単! 銀行の普通預金口座を「一瞬マイナス」にする方法

クレジットカードの引き落としミスを避けるもっとも簡単な方法は、「ちょっとだけ定期預金」を組んでおくことです。

銀行の総合通帳では真ん中あたりに定期預金のページがありますが、普通預金の残高がゼロになったとき、実は定期預金の残高から一時的にマイナスを補ってくれる仕組みがあるのです。

この仕組み、「当座貸越」といわれます。一般的には90%をメドに利用でき、手続きは不要なことがほとんどです。つまり、10万円の定期預金があればマイナス9万円まで残高不足になっても安心というわけです。

最近の銀行はATMが便利になっており、定期預金もすぐ組むことができます。昔は銀行の窓口が開いている時間に行列しなければならず面倒でしたが、これほど簡単ならちょっとやっておくと安心です。

まずは「2~3万円」でもいいので、定期預金を組んでみましょう。定期預金は解約できるし、元本割れもありませんので、ボーナスの残りが少しあれば作っておくといいでしょう。これで、「公共料金の引き落としが先にあって、1万円足りなかった」とか「3000円足りなかった」というようなわずかな残高不足でブラックリスト入りする恐れがなくなります。

お金を大きく増やすというより、失敗を減らす定期預金ですから、預け入れ期間は1カ月でも1年でもかまいません。預けっぱなしでいいなら、期間を長くしたほうが利息は高くなります。

可能であれば「10万円」くらいの定期預金を組んでおきます。これなら引き落としがいくつか重なったときの残高不足もほぼなくなります。ボーナス直後にどんと預けておくといいでしょう。一度預けておくと、何度も預ける必要はありません。ボーナスが多かったときや使う目的が少なかったときに、入れておくことをオススメします。

なお、マイナスになっているあいだ、銀行に対して利息がかかります。手数料のようなものですからこれは仕方ありません。ただし、実際には定期預金の残高がありますので、本来つく利息と銀行に払う利息が相殺されるため、払わなければならない利息はわずかになります。おそらく数円から数十円ですむはずです。気がついたら残高は入金して0円以上に戻しておきましょう。

同じような銀行のサービスで、「カードローンの自動融資」というものもありますが、これはオススメしません。最近のキャッシュカードはカードローンもセットされていることが多く、これを使って残高不足時には相当分について「勝手に借金」してクレジットカード会社などに支払いを行ってくれるものです。もちろん正味の借金ですから、借りた残高すべてに利息がかかってきます。超低金利の時代にけっこう利息を引かれることになりますので、避けておくのがいいでしょう。

「定期預金をちょっと組んでクレジットカードのブラックリストを避ける方法」は、別にクレジットカードに限られるわけではありません。電気代やガス代、家賃など、すべての引き落としミスを避けるためにも使えますので、いろんな局面に役立ちます。ぜひ「ちょっとの定期預金」を組んでおきましょう。


住信SBI銀行 [ https://contents.netbk.co.jp/pc/help/help_yteiki_2_togashi.html ]
みずほ銀行 [ http://www.faq.mizuhobank.co.jp/faq/show/47 ]

やまさき・しゅんすけ 「人生の幸せの問題は、たいていはお金の問題である」という考えのもと、お金と幸せについて考えるファイナンシャル・プランナー(FP)。公的年金制度・退職金制度、投資教育が専門。Twitterでは毎日一言「お金の知恵」をツイートしてます。副業はオタクで、まちあるき、アニメとコミック、ゲーム好き。所属学会は東京スリバチ学会と日本年金学会