お客さんとの共犯関係のなかで嘘を共有する

――そんな中でヴィジュアル系のビジネスモデルに則ってマキタさんご自身がヴィジュアル系バンドをプロデュースするというプランは考えたことはありますか?

マキタ:どうせだったら自分たちでやりたいなと始めたのが『Fly or Die』です。

自らが実験台になってやるのもおもしろいのかなと。だって実際俺がバンドやっていて女の子の黄色い声援浴びるなんてこと無かったもん。それがヅラかぶってメイクして、曲をヴィジュアル系に寄せたものをテレビで披露したら、次から「ダークネス様ー」だよ(笑)。

お客さんの方もわかってやっているんだよね。男として単純にうれしい反面、このジャンルはすげえなあと思うよね。

90年代以降のプロレスやアイドル、芸能すべてにいえることだと思うんだけど、批評型というかツッコミが織り込み済みというところがあって。お客さんとの共犯関係のなかで嘘を共有するというか「ボケボケしく楽しみましょう」っていうことが確立されているのは優秀なカルチャーだと思うんだよね。

――なるほど。

マキタ:そう思うと今のお笑いってなんだかせせこましくてさ。世の中に気を使っちゃってる感じだし。ボケボケしくいられないというか。だから俺キリショーはヴィジュアル系にいったんだと思うんだけどね。本人は「お笑いから逃げた」と言っていたけど、自由度が低いと感じたんだと思うよ。ヴィジュアル系のほうが面白いことをやれると思ったんじゃないかな。その先見性はすごい。

僕も自らが実験体となって、ヴィジュアル系でどこまでできるか試してみたいと思ってる。様式美の世界にプラスアルファで何かできるかどうか、そこまでは煎じ詰めてやってみたいと思っています。

ヴィジュアル系というジャンルに入植していくなら、流儀を身につけたいし、嗜みを身に付けることの喜びってあるじゃない? おばさんがカルチャースクール行くようなもので(笑)。

――ユーキャン的な(笑)。

マキタ:そうそう、そういう喜びもあるわけ。だからホントにこのジャンルはおもしろいですよ。

 



Fly or Dieワンマンライブ『六本木 or Die』
2月21日(金) 
出演:Fly or Die
TICKET:前売り/\3800 当日/\4300 (D別)
TIME:OPEN/19:00 START/19:30

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