首位攻防戦である。1位・サンフレッチェ広島と2位・FC東京が『2018明治安田生命J1リーグ』第10節で激突する。

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1位と2位の対戦だが、両クラブの間には9もの勝点差がある。広島の8勝1分・勝点25に対し、FC東京は5勝1分3敗・勝点16。リーグ序盤戦は広島の1強状態なのだ。

広島の快進撃はわずか2失点に抑えている守備陣にある。水本裕貴&野上結貴のCBが高い集中力を保つとともに体を張り、GK林卓人が最後尾に控える。35歳の守護神は昨季の低調なパフォーマンスが嘘のように、ビッグセーブを連発する。9試合2失点の鉄壁の防御は、ベテランGKに因るところが大きい。

城福浩監督の手綱さばきも秀逸だ。新監督は人とボールが動く“ムービングフットボール”を理想に掲げつつ、現段階ではまず失点しないことを最優先事項とする。ボールを保持されても慌てず騒がず、人数を割いて守備ブロックを形成する。我慢の時間を全員でひたすら耐え凌ぎ、後半になれば勝負をかける。チーム得点12のうち10点は後半に入れたもの。さらに6ゴールは残り15分で決めているのだ。

フィニッシュを担うのが、ご存知パトリック。完全復活を果たしたブラジル人FWは直近3試合で5ゴールとノリノリである。

ガンバ大阪時代に4シーズンにわたり監督とエースの関係を築いてきたFC東京・長谷川健太監督は、パトリックの怖さを熟知している。指揮官は「パトリックはとてつもないシュートを決めたり、わかっていてもなかなか止められない。彼にボールが入ってしまうのは仕方がない。あとはなんとか精度を下げる作業をできるかどうか」と警戒する。

前節・清水エスパルス戦は58分にCBの一角を務めるチャン・ヒョンス主将が負傷交代するも、2試合ぶりに戦線復帰したCB森重真人、GK林彰洋らの活躍で5試合ぶりの完封勝利を収めた。FC東京は4連勝後、セレッソ大阪に敗れたが、再び白星を獲得したのだ。

第4節・湘南ベルマーレ戦からの4連勝時はFWディエゴ・オリヴェイラの5ゴールをはじめ11ゴールを量産したものの、5失点も気になった。前節は過密日程、春とは思えない暑さ、そして守備のキーマンの負傷という三重苦の中、クリーンシートを果たしたのだから、選手にとって自信となっただろう。FC東京としては2016年夏にチームを離れた城福監督に恩返しの連勝ストップを、パトリックとしては長谷川監督に返礼のゴールを決めたいはずだ。

『明治安田J1』第10節・FC東京×広島は4月25日(水)・味の素スタジアムにてキックオフ。FC東京は独走する広島を止められるのか。チケット発売中。