土田英生、MONOの新作は「のぞく人々」の密室劇

2014.2.24 12:20配信
土田英生 土田英生

近年は舞台『二都物語』やテレビドラマ『斉藤さん2』の脚本、『ごちそうさん』への役者としての出演、茂山狂言会への新作狂言の提供など、多岐にわたって活動する土田英生。土田が主宰し、作・演出を担う劇団MONOは結成以来、張りつめた状況の中に身を置く普通の人々の佇まいや、認識のズレから生じる会話の可笑しさや哀しさを、軽快なテンポで見せる。その独特な魅力で幅広い支持を得ているMONOが、新作『のぞき穴、哀愁』を携え、現在全国にて上演中だ。

MONO『のぞき穴、哀愁』チケット情報

新作『のぞき穴、哀愁』は、ある会社の天井裏で働くサラリーマン達の物語、のぞくことを仕事にする人々を描く、哀愁漂う密室劇だ。劇団メンバー40代の男5人が、追い詰められれば追い詰められるほどに輝きを増す。“ほっとけない男たち”“憎めないダメ男たち”を演じる。

MONOの作品について「演劇にするスパイスとして、ありえない設定を設けますが、フィクションのフィルターを通すことで、現実を見せたい」と語る。「小さな劇場でやるにあたって、まず狭い場所でできる物語を考えました。狭い場所=天井裏という発想がきっかけですね。そこから、天井裏から下を見ている芝居にしようと。のぞいている人たちというのは、ネット上に溢れる罵詈雑言や虚言を、匿名で書かざるをえない人たちに哀愁を感じまして、その心持ちを描けないかなと思いました」。あるサイトで、自らの悪口を見てしまったという土田。最初に腹が立ったが、同時に哀しみとおかしみを感じたその感覚を、天井裏に巣食う人々の姿として描いたという。今回は、客演を迎えたことで、幅広い観客が楽しめる大人のコメディに仕上げた。

実際の舞台も、極限まで狭くし、天井裏の閉塞感を出す演出を試みている。のぞく人々を、客席からのぞくという構造で、観客もある種のドキドキ感を楽しめる。劇場に足を運ぶことで一風変わった世界を味わえる、演劇ならではの一本だ。

東京・駅前劇場は公演終了。今後は2月26日(水)に愛知・テレピアホール、3月1日(土)から2日(日)まで福岡・北九州芸術劇場 小劇場、3月6日(木)から12日(水)まで大阪・HEP HALLで上演。チケットは発売中。

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