『マチェーテ・キルズ』に主演したダニー・トレホ (C)2012 Vrelonovama LTD

ロン毛のコワモテなおやじがナタを振り回し、バッタバッタと悪人どもを斬り殺していく痛快バイオレンス・アクション『マチェーテ』。その続編『マチェーテ・キルズ』の公開にあたり、主人公のマチェーテを魅力たっぷりに演じているダニー・トレホに話を訊いた。ちなみに、「マチェーテ、メールしない」というセリフのとおりマチェーテはアナログな男だが、トレホのインタビューはスカイプ経由で行われた。

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元はロバート・ロドリゲス監督作とクエンティン・タランティーノ監督作が2本立て上映された『グラインドハウス』用に作られた架空の予告編だったが、本編を望む声が高まり本当に映画化された『マチェーテ』。その成功を受けて『マチェーテ・キルズ』では前作以上に豪華なキャストが集合。あのレディー・ガガも本作で映画デビューを飾った。「俺と彼女は同じタトゥー・アーティストに彫ってもらっているんだ。だから、ロバートに“次はレディー・ガガと共演したい”と提案してみたんだが、その時すでにロバートは彼女と交渉していたんだ。彼女は女優としても本当にアメイジングだったよ」

さらに、ジェシカ・アルバ、ミシェル・ロドリゲス、そしてジョニー・デップの恋人アンバー・ハードら美女がマチェーテの恋のお相手を務める。まるで凶悪犯のような顔なのに……。実は、トレホは俳優になる前、麻薬犯罪に関わって長い間刑務所暮らしをしていたことがある。「怒りや憎しみという感情を監督に求められる時、俺は瞬時にそれが出せる。なぜなら、そういう負の感情が充満した場所にいたからだ。ムショでの経験が俺の糧になっているんだ。だが、そんな俺にモテ男を演じさせてくれたのはひとえにロバートのおかげだ。素晴らしいキャスティングだと思うだろ(笑)?」

マチェーテの前に立ちはだかる武器商人役のメル・ギブソンと、殺し屋役のアントニオ・バンデラスは、『マチェーテ・キルズ』と同じように豪華キャストが集う『エクスペンダブルズ3』にも出演している。トレホも誘われなかったのかと問うと、見事な答えが返ってきた。

「マチェーテ、消耗品(エクスペンダブル)じゃない」

次作ではマチェーテは宇宙に行くそうだ。

『マチェーテ・キルズ』
3月1日(土) 新宿バルトほか全国ロードショー

取材・文:岡大