実は本書の中に、シャンプーへの言及がありました。

<これも考えてみたら当たり前である。シャンプーの強力な界面活性剤が皮脂を洗い流し、しかも神経質に地肌をゴシゴシとこすっていれば、皮膚常在菌にとって最適の環境でなくなり、常在菌以外のさまざまな細菌が繁殖するようになるからだ。これらの細菌が臭気の原因だったのだろう。

 しかも、皮脂を洗い流された頭皮はその皮脂不足を補うためにさらに多くの皮脂を分泌するようになり、その結果、頭皮はかえってべたべたになったと考えられる。同様に、角質が界面活性剤で損傷され、それを修復しようとして皮膚の新陳代謝が過剰に起こり、その結果、フケが多くなったのではないだろうか。>

夏井睦『傷はぜったい消毒するな』(光文社)
第10章 皮膚と傷と細菌の絶妙な関係|11 石鹸、シャンプーと皮膚の健康 より一部引用


これって、ワキの臭いなんかも一緒ですよね。特に夏場は、石けんでゴシゴシ洗っても、すぐに臭い出す。で、原因は洗い過ぎだという。界面活性剤が、善玉の皮膚常在菌を洗い流してしまうので、悪玉菌が繁殖してしまい、清潔にしておこうとすればするほど臭いが強くなるわけです。

 

仮説:シャンプーしないほうが、臭い・ベタつき・フケが減るかもしれない

人体はもともと、シャンプーなんかしなくても問題ないようにできているはずなんです。夏井睦『傷はぜったい消毒するな』の記述を参考にすれば、こんな仮説が立てられます。

シャンプーしないほうが、臭いが弱くなり、皮脂によるベタつきが少なくなり、フケも減るかもしれない!

私は、頭の臭いを気にした経験はないんですが、ベタつきはけっこう感じます。今までは、皮脂の分泌が多い体質なんだと思っていました。風呂で熱心にシャンプーをしても、1日経てばしっかりベタ付いています。忙しくて風呂に入れなかったりすると、翌朝にはもう髪の毛がペッタリしているくらい。フケも気になることがあります。

だからこそ、よけいにゴシゴシ洗ってしまうわけですが……シャンプーをやめれば、この悪循環を断てるかもしれないわけです。それにやっぱり、リンスを使わないとゴワゴワ&カピカピになってしまうわけで、シャンプーを使うのって、髪に不健康そうに思うんですよね。リンスを買わせようとする化粧品&製薬会社の策略か!?

ま、それはともかくとして、シャンプーやリンスを買わずに家計を節約するために  髪をいじめて将来ハゲないために、ちょっと「シャンプーを使わない生活」に挑戦してみました。

 

湯シャンのやり方

「界面活性剤入りの洗剤が諸悪の権化」という考え方なので、シャンプーをやめ、代わりにお湯だけで頭を洗い流します。いわゆる”湯シャン” です。シャワーのほうがやりやすいですね。

コツは、頭皮や髪の状態をよく確かめて、しっかり汚れやベタつきを洗い流すこと。最初は無理せずに、2日・3日に1回はシャンプーを使うのもいいと思います(ただし、今までのように頭皮までゴシゴシ洗うのでなく、髪だけをササッと洗う)。

『傷はぜったい消毒するな』にもありましたが、シャンプーによって必要以上に皮脂を洗い流してしまっていると、皮脂の分泌が過多になっていると考えられるからです。悪玉菌も繁殖しやすい状態なので、適度に皮脂や汚れを洗い流しておかないと、かゆみが出たり、臭いが出たり、という事態があるかもしれません。

私も最初の半月から一ヶ月くらいは、”湯シャン” だけでは、髪が脂ぎって重くなる感じがありました。そこで、何日かに1回は、多すぎる皮脂だけを洗い落とすようなイメージで、シャンプーを少量使いました。

また、タバコの臭い、焼き肉やお好み焼きなどで染み付いてしまう臭いは、これはなかなかお湯だけでは落ちません。シャンプーを使わざるをえません。

※ということはつまり、タバコなど、日常生活の中でどうしても染み付いてしまう不快な臭いを落とす、という意味では、シャンプーの存在意義は確かにあると言えるようです