『ラヴレース』 (C)2012 LOVELACE PRODUCTIONS.INC.

『マンマ・ミーア!』『レ・ミゼラブル』のアマンダ・セイフライドが実在する“伝説のポルノ女優”に扮した映画『ラヴレース』で、シャロン・ストーンが主人公の母ドロシーを演じている。かつてはセンセーショナルな役どころを多く演じ、観客を魅了してきたストーンだが、その後キャリアを重ね、本作では極めて厳格な母親役を演じている。

インタビュー映像

リンダ・ラヴレースは、1970年代に伝説のポルノ映画『ディープ・スロート』に主演し、全世界で6億ドルもの興行収入を叩き出した女性だ。映画は、ラヴレースが厳格な家庭に育った時代から、ポルノ女優へと転身した本当の理由、そして映画『ディープ・スロート』撮影中に起こった事実を描いている。

本作でストーンが演じた女性ドロシーは厳格なカトリック教徒で娘のリンダに干渉し、支配しようとしている。結果的にリンダは両親への反発から家を飛び出すがストーンは「当時の時代背景を考えると、彼女は悪い人間だったというわけじゃない」と分析する。「この親子は似た者同士よ。似ているからこそ反目しあう。母親は娘に最善のものを与えたいと思っている。でも与え方を知らない」。これまでラブレースを語る際、彼女の“映画出演前”についてはそれほど言及されてこなかったが、リンダと母ドロシーの関係は、本作を観賞する上で重要なポイントになっているようだ。

ちなみに本作は実話を基にしており、プロデューサー陣はラブレースの人生をしっかりとリサーチし、ドキュメンタリー畑で活躍し、『ハーヴェイ・ミルク』でオスカーに輝いたロバート・エプスタイン&ジェフリー・フリードマンを監督に指名した。ストーンは「以前から彼らと仕事がしたかった。パワフルで頭の回転も速い。思慮深いし才能にあふれている。その才能と知性で素晴らしい作品を仕上げてくれた」と振り返る。

セクシーな役どころで男性たちを翻弄し、魅了してきたストーンが、年齢を重ね、自由に生きようとする娘を束縛する母親をどのように演じているのか、今週末の公開が楽しみだ。

『ラヴレース』
3月1日(土)ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー