「出会った後」が続かない30代の女性のケース

33歳のある女性は、「結婚する前の恋愛関係で相性のいい人が正解」と考え、「自分と同じ正社員で安定した収入のある人」「落ち着いて会話のできる人」「喧嘩になったときに冷静に意見を言い合える人」と、いくつかの理想を手帳に書き出していました。

自分についても、「求める一方にならない」「自分の気持ちに素直になる」と「これまでの反省を活かす」ことを考えていたそうです。

友人の紹介や、健全な出会いを謳うマッチングアプリなども利用して男性との出会いを得ますが、誰とも長続きせず早い段階でつながりが切れてしまうことに悩んでいました。

「知り合ってからは相手の話をよく聞くようにしていた」と話す彼女の何に問題があるのか、関わりの中身をほどいていくうちにあることに気が付きます。

「私の話を最後まで聞かず、すぐ遮って自分の気持ちを言う姿に好意が冷めた」「意見が違うときに私の気持ちを否定することに傷ついた」と、相手を切ってしまうことには彼女なりの理由がありますが、引っかかったのはその「見切りの速さ」です。

1回目のデートは楽しかったけれど2回目のデートで相手のその姿を見て萎えてしまい、そのままごめんなさいとなる、「1回の違和感で答えを出す」のは少しもったいないのでは、と感じました。

そう伝えると、「すぐ違和感を覚える自分の感覚を信じた」と彼女は返し、その在り方も間違いでは決してないと思います。

ただ、まだ少ししか一緒の時間を過ごしておらず、「次」はもしかしたら別の展開になるかもしれず、な未知部分を経験しないまま相手を「自分の理想とは合わない」と判断するのは、早計な気もします。

彼女の感じた「違和感」には「私が想像した返し方と違った」という受け止め方があり、相手の「なぜそう考えるのか」にはまったく触れていない点も、もったいないと思う理由でした。