ヨ「え。仕事帰りですか?」
地「いや、キャバクラ行くって聞いて、どんな服装で来たらいいのかわかんなくて、とりあえずスーツなら大丈夫かと思って…」
ヨ「僕、地主さんのスーツ姿初めて見ましたよ」
地「一年に2回くらいしか着ません」
ヨ「ちなみに、普段キャバクラとかには行くんですか?」
地「会社員をしていたころ、上司に連れられて行ったことはありますけどね。基本的に隅っこでうずくまっていました」
ヨ「じゃあこういうお店、全然慣れてないんですね」
地「はい。僕風俗とかも行ったことないですもん」
ヨ「今日は地主さんにインタビュー、みたいな形にしたいんですよ」
地「なんでも聞いてください」
ヨ「なんでこんなに緊張してるんですか?」
地「普段人とあんまり話さないですからね。今日は3日ぶりに人と話しました。テレビ局の人と打ち合わせのときに話した以来です。お休みの日は基本的に家にいてパソコンを触っています。撮影以外ではほぼ外出しないので、休みの日に雨が降ってるとうれしいですね。だって、僕が家にいるのに、ほかの人が外で楽しく遊んでいると、悔しいじゃないですか」
地主さんは本当に家から出ないらしい。もちろん彼女も居ない。
地主さんの恋愛観
地「そもそも、友だちも少ないんですよ。女性の友だちはもちろんいませんし、男の友だちも1人しかいないですもん。その1人の男友だちだって、一緒に出掛けるときって基本的に撮影ですからね。
趣味もないですし。いまやりたいこと…とか言われたら『寝過ぎて夜寝れないから、もっと寝れるようになりたい』とかですよ」
地「好みの女性のタイプ…は、カメラが上手くてPhotoshopとかイラストレーターが弄れる人ですかね」
ヨ「それ、彼女って言うよりアシスタントじゃないですか。デートで外出とかしないんですか?」
地「例えば『動物園に行きたい』とか言われたら動物園に行くネタを考えますね」
ヨ「結局、撮影なんだ」
地「彼女がいたことはあるんですけど、僕がそんなんだからすぐフラれてしますね。初キッス? 20歳でした。相手は60歳のおじいちゃんですけど。キスしたらハーゲンダッツを2個買ってくれるって言うからしました。バニラとラムレーズン」
地主さんは、本当にかわいそうな人なのかも知れない。