サンフレッチェ広島を止めたのは、FC東京だった。4月25日、2位・FC東京が8勝1分の広島にリーグ初黒星をつけたのだ。

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9試合で2失点を誇っていた広島の鉄壁防御を、FC東京はわずか3分でこじ開けた。3分、FWディエゴ・オリヴェイラが迫力あるドリブルでペナルティーエリア内に進入すると後手を踏んだDF佐々木翔はたまらず足を引っ掛け、PKに。オリヴェイラがPKストップに自信を持つGK林卓人のタイミングをずらすキックを放ち先制。さらに9分、広島のパスミスからオリヴェイラが林と1対1になると、走り込んできたFW永井謙佑に冷静に横パス。追加点を演出した。さらに51分、ハーフウェイライン手前からMF高萩洋次郎が前線にスルーパス一閃。オリヴェイラが抜け出しGKと1対1になると、右足を振り抜き勝負を決めたのだった。

2ゴール1アシストの大活躍を見せたオリヴェイラはこれで、第4節以降7試合で7ゴールを量産し、得点ランキングでトップタイに立った。「謙佑といい形の攻撃ができ、それが結果にもつながりうれしい。ただ、僕らだけではなく、ベンチにいる前田(遼一)も富樫(敬真)も久保(建英)もクオリティーの高いFW。私は彼らともいいプレーができると思っている」とFWのエゴを微塵も感じさせない本人のコメントも秀逸だ。長谷川健太監督も「スピードもあって高さもあり、足元の技術もある。オールラウンダー。彼はいくつも武器がある選手」と評価する。

これまで後半途中まで守備に重心を置き、相手の運動量が落ちた後半にゴールし勝点3を積み重ねた広島は、まさかの3点ビハインドに1点を返すのがやっと。3-1で完勝したFC東京は首位・広島との勝点差を6に詰めたのだった。勝って兜の緒を締める長谷川監督は「次に勝って初めてこの勝点3が生きてくる。次の名古屋戦が大事な試合になる」と次節を睨んだ。

対する名古屋グランパスは、24年ぶり7連敗のどん底に喘いでいる。直近7試合で18失点と守備は崩壊状態。2勝1分と今季の躍進を期待させた序盤戦の高いパフォーマンスが嘘のように、先の見えない状況にある。風間八宏監督は「足りないところはいくつかある」とした上で、「ひとつはゴール前で決め切るところ。そこはすごく大事。しっかり全体が見える目を持つ選手がほしい」と課題を挙げた。そう、ゴールを決め切る元ブラジル代表FWジョーと、全体を見渡す背番号10ガブリエル・シャビエルの本領発揮が待たれるのだ。

FC東京が連勝を3に伸ばすのか、名古屋が連敗を7で止めるか。『明治安田J1』第11節・FC東京×名古屋は4月28日(土)・味の素スタジアムにてキックオフ。チケット発売中。