言葉を超え、国境を超えて笑いと感動を届けるパントマイムのふたり組、が~まるちょばが、毎年恒例の全国ツアーに向けて動き始めた。赤モヒカンのケッチ!と黄モヒカンのHIRO-PONのふたりに、待望の全編新作でのぞむという「サイレントコメディーJAPAN TOUR 2018」について話を聞いた。

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2018年の活動はロシアでスタートしたというふたり、「年末年始に2泊4日で行ってゲスト出演、それから2月にロシア三大都市で単独ライブでした」とケッチ!。全世界を舞台に活躍している彼らだが、意外にも彼らにとってはこれがロシアでの初の公演だったそうで、「これまで行った35カ国の、どの国にもなかった独特の感覚」(HIRO-PON)、「手強いお客さんだと、かえって燃えます!」(ケッチ!)と新たな手応えを掴む。その後もマレーシア、シンガポールなどをめぐり、現在、全国ツアーにむけて、まずはHIRO-PONによる作品づくりが進行中という。

その構成は、前半がエンターテインメントショー「が~まるSHOW」とショートスケッチ、後半が長編のストーリーもので、なかでも彼らの9作目となる長編は、新作としては2014年の『"Yes"』以来4年ぶりの意欲作だ。が、「パントマイムは、お客さんの中で想像を膨らませて観てもらいたい」と、HIRO-PONは中身を明かさない。「先にお伝えできるのは作品のタイトルだけ。なんだけど──それもまだ決まっていなくて(笑)」とも。

彼らの長編作品といえば、「これがパントマイム!?」と新鮮な驚きを与えつつ、皆を夢中にさせる独特の魅力をもつ。たとえば一昨年再演して話題となった『街の灯』(2006年初演)に代表されるように、言葉なしにふたりで何役をも演じ分け、ドラマを伝え、笑いだけでなく、感動の涙をもたらす。「ただ、原点回帰も考えているんです。最初のころ、長編は“笑い”だけで創っていて、お客さんの心を大きく動かす作品なんて、僕らにはまだ早い、と思っていた。徐々に手応えを感じ、シリアスな要素を反映させるようになったけれど、いっぽうでコメディ色が弱くなってしまって、という感覚も。いま僕は、“が~まるちょばがやるからこそ面白い” ものを創らなければ、と考えているんです。この人、もっと面白いだろうな、もっとケッチ!の新しいものを引き出したいな」とのHIRO-PONの言葉にケッチ!もニヤリ。絶妙なパートナーシップから繰り出される、笑いにあふれた舞台が期待される。

が~まるちょばサイレントJAPAN TOUR 2018は7月12日(木)~15日(日)の東京・新国立劇場を皮切りに、2019年1月まで全国23か所で上演。チケットは発売中。

取材・文:加藤智子