ベン・スティラーが監督・製作・主演を務める映画『LIFE!』が19日(水)から日本公開になる前に、本作の特別映像が公開された。すでに公開された多くの国々で、本作に共感が寄せられているが、その理由がわかる映像だ。

『LIFE!』特別映像

本作の主人公はスティラー演じるウォルター・ミティという冴えない中年男性。彼は、雑誌“LIFE”の写真管理部で働き、歴史に名を残す人物の写真ばかり眺めて暮しているが、本人の生活は単調で地味で平凡。おかげで現実逃避のための空想ばかりしている。しかし、彼はある日、雑誌の最終号の表紙を飾る写真がないことに気づき、カメラマンを探す波乱万丈の旅に出る中で、自身の人生を見つめなし、本当に大切なものがどこにあるのかに気づいていく。

公開された映像に登場する主人公ウォルターは改めていうまでもないが、決して派手な人間ではない。ところが彼はある日、冒険へと旅立つ。多くの映画ではそこで登場人物が驚異的な力を手にしたり、理由なく善人に変貌したりする。しかしスティラーが「ウォルターの物語と旅に共感をおぼえるはずだ」と語る通り、ウォルターは常に観客が感情移入し、共感できる人物として描かれている。彼はなくなった写真のネガを探して冒険するが、急に強くなったり善人になったり竜を倒したりしない。地味な暮らしだが真摯に仕事に取り組み、家族を愛し、好きな女性はいるけど声をかけるのをためらっている……どこにでもいる男のままだ。

しかし、それこそがこの映画の魅力だ。スティラーは以前より「この映画のメッセージは、現実を受け止め、毎日の生活を大事にすれば、本や夢で見るよりも充実した人生を手に出来るということだ」と語っており、感動的なドラマを描きながら、観客の誰もが“この主人公は自分と似ている”と思えることが、本作が多くの国々で成功をおさめた理由ではないだろうか。

『LIFE!』
3月19日(水) TOHOシネマズ 日劇ほか全国ロードショー

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