ポリパプがメインの屋台『クァンジャン・シクタン』

旅心が刺激される新緑の季節だ。

2、3泊の韓国旅行だとソウルにずっといる人が多いかもしれないが、たまには半日空けて地方に出かけてみてはどうだろう。

今回はソウルから1時間ほどで行ける温泉地の市場にある大人気の麺店と、ソウル中心部の安くて美味しい店を紹介しよう。

カルククス(忠清南道・温陽温泉)

麺はいつまでも伸びず、スープは魚介ダシがほどよく効いている『ホンドゥゲ・カルククス』のカルククス3000ウォン

忠清南道の温陽温泉(オニャン・オンチョン)はソウルから1時間で行ける日帰り入浴スポットとして昔から有名だ。

温泉浴が楽しみなのはもちろんだが、この街は市場も魅力的。日本人から見ると総じて主張が強く見える韓国人だが、忠清道の人々はおっとりしていて角を立てないという特徴がある。

古株の温泉旅館の東側にのびる温陽温泉伝統市場を歩き、商人たちに「アニョハセヨ(こんにちは)」とあいさつしても、「サジンチゴド テヨ?(写真撮ってもいいですか?)」と声をかけても、ニコニコ笑顔が返ってくることが多いのも、その県民性(道民性)と無縁ではない。

この市場に来たら、ぜひ食べたいのがカルククス(韓国式うどん)。市場の東側にある『ホンドゥゲ・カルククス』はソウルから来た観光客がかならず立ち寄るといわれる、お昼どきは行列覚悟の人気店だ。

列に並んでいる間、店先で従業員が麺を打っているところをつぶさに観察することができる。出てきた麺は微妙に不揃いなところが手打ち感たっぷり。コシはじゅうぶん。

スープをひと口すすると、まろやかな塩味とともに磯の香りが鼻に抜け、ここが海から遠くないことを実感できる。このカルククスがたったの3000ウォンなのだから、食べずに帰る手はないだろう。

ホンドゥゲ・カルククス
忠清南道牙山市温陽温泉市場ギル89-8 TEL:041-546-0151
8:30~20:30 無休

ポリパプ(ソウル・広蔵市場)

かき混ぜる前のポリパプ。麦飯は豊富な繊維質が腸を刺激するのでおなかの調子がよくなる食材だ

広蔵市場(クァンジャンシジャン)といえば、ソウルの食シーンを象徴する場所としてテレビや雑誌にたびたび取り上げられるので、ご存知の方も多いだろう。

この市場にキムパプ(海苔巻き)、ピンデトッ(緑豆のおやき)、テグタン(鱈鍋)、ユッケなどいくつか名物があるが、ポリパプもそのひとつ。

ポリは麦、パプはごはんのことで、麦飯の上に野菜が盛られたビビンパの一種だ。

以前よりポリパプの店の数は減ったが、食べもの屋台が集まっているエリアをぐるっと歩けば、カウンターに赤(キムチ)、緑(ニラ)、黄(豆モヤシ)など色鮮やかな野菜が並んでいるのがポリパプの店なのですぐに見つけられるだろう。

どの店にもコチュジャン系のタレが用意されているので、好みの量を加えてグルグルかき混ぜて食べるのが韓国流だ。

これだけ野菜が摂れてたったの5000ウォン! 野菜天国・韓国ならではのヘルシーメニューだ。

ポリパプ屋台街(広蔵市場)
鍾路区礼智洞3-2広蔵市場内(東寄り)9:00~21:00