浦井健治、成河らが骨太な戯曲『ビッグ・フェラー』に挑む

2014.3.12 17:00配信
森新太郎 森新太郎

NYで暮らすアイルランド共和軍(IRA)メンバーの生き様を描く『THE BIG FELLAH ビッグ・フェラー』が5月から7月にかけ日本初演される。イギリス演劇界気鋭の劇作家、リチャード・ビーンが2010年に書いた戯曲。演出は、先ごろ第21回読売演劇大賞において大賞・最優秀演出家賞を受賞、今演劇界で最も注目される森新太郎が手掛ける。その森と、出演する浦井健治、成河の3人に話を訊いた。

『ビッグ・フェラー』チケット情報

2012年にも『ハーベスト』でビーン作品を手掛けた森は「この作家のバランス感覚は本当に見事。シリアスな場面があるかと思えば、ちょっとしたユーモアで笑わせたり。本当に良くできた脚本」と唸る。さらに「リーダーのコステロ役、内野聖陽さんはじめ、浦井さん、成河さん…これ以上ないほどのベストキャストが揃いました」と顔ぶれにも自信を見せた。

ともにIRAメンバーに扮する浦井と成河も「すごく面白い脚本」と口を揃える。成河は「専門用語がとにかくたくさん出てくるのですが、わからないながらもどんどん引き込まれてノンストップで最後まで読めた。でもその専門用語をどうお客さんに説明するかではなく、その言葉が発せられることで、どう関係性の中に緊張感が走るのかが、見ていて面白いのだと思う。ただ演じる側はその言葉をきちんと使いこなさないと」と、脚本の手ごわさと魅力を話した。一方で浦井も「確かにいろいろ調べて挑めたらと思います。でもIRAの話…というより、日常の中で起こった話、と捉えるととっつきやすいかもしれません。登場人物たちが環境の変化によってどう変わっていったのか。そのやり取りの中からそれぞれの想いを感じていただければ」と、しっかりこの骨太な戯曲と向き合っているようだ。

英国軍がデモ中のアイルランド市民に発砲した「血の日曜日」事件、エニスキレンでの爆破テロ…と実際の事件も時代背景に登場するが、「面白いのは、登場人物が(本国のアイルランドではなく)NYで活動している人たちだということ。武器調達や資金集めをしている人たちがいたからこそIRAの武装闘争が成り立っていたんだという、ドキュメンタリー的な面白さもあります。はじめはIRAなんてちょっと遠い世界だなと思ったのですが、脚本を読むうちに、今もこういう暴力的な連鎖は起こっていると思いました。だから、こういう作品をやっておく意義がある。日本の国内のことだけでなく、それをとりまく世界の情勢にも目を向けることが必要なのでは」と森。脚本の深い読み込みから生まれる丁寧な演出に定評のある森が、充実のキャストとともに送る話題作。その誕生を楽しみに待ちたい。

公演は5月20日(火)から6月8日(日)まで東京・世田谷パブリックシアターにて。チケットは3月16日(日)に一般発売を開始する。チケットぴあでは東京公演のインターネット先着先行販売「プリセール」を3月15日(土)まで受付中。その後兵庫、新潟、愛知、滋賀でも上演。

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