私が最初にステージにあがっていくときは、その場の空気を、一瞬にして変えなきゃいけない、っていうシーンなんです。だから、宮澤佐江からコルリになるスイッチは、その場面が自然にやってくれてるんです。始めのシーンがそういうシーンで、スゴくよかったって思ってます。

そこからは常に頭の中で、捕われている佐藤江梨子さん演じるイグレットを助け出そうって考えてるから、出だしから最後まで、ずっとその気持ちを持ってやっているという感じですね。

――なるほど。

あと、私の最初のシーンは、階段を全速力で走って駆け抜けていくシーンなんですね。だから、その前のシーンで、他の出演者さんがやりとりをしているシーンから、舞台袖で、一緒に出て行く仲間たちと走ってるんです。

――舞台袖で走ってる!?

お稽古のときに五朗さんが、「2.5kmぐらい走って皆のところに来て、大変なことが起きた! って、知らせるぐらいの気持ちでやってほしい」って言って下さったんです。

でも、とてもじゃないけど、本番中に2.5km走るのは無理だから(笑)、それぐらいの気持ちで、ずっと横でタタタタタッ、タタタタタッって走ってます。それで、「ヨシッ!!!」っていって、舞台に出ていくんですよ。

――舞台袖で、佐江ちゃんや共演者の皆さんが、走ってる様子を想像すると、気迫というか、緊張感が伝わってきますね。

鼻息がマイクに入らないように走ってます(笑)

――もうすぐ、大千秋楽ですね。最後になりましたが、大阪公演のご成功も心からお祈りしていますよ! 今日は“コルリ”について、いろいろ教えていただき、ありがとうございました! 佐江ちゃんの“コルリ”応援しています。

ハイ、ありがとうございます。舞台もあと少しで大千秋楽。ちょっと寂しいけれど、毎日、毎日本当に幸せです。まだまだ寒い日もありますが、もうすぐ春本番なので、次回は、出会いと別れの季節でもある、“春”をテーマにお話していく予定です。それでは、また金曜日にお会いしましょう!谢谢大家!(皆さん、ありがとう!) 

 

【今回のまとめ】
◎中国入門ポイント
コンピュータ、ドラえもん、コカ・コーラ、……、外国から入ってきた言葉も、すべて漢字で表記して、自国の言葉に取り入れている中国語。

コンピュータ=电脑(日本の漢字では、電脳)、ドラえもん=机器猫(機器猫)などは、その“意味”をとった意訳語です。

一方、似た“音”の漢字を利用した音訳語、コカ・コーラ=可口可乐(可口可楽)は、音だけでなく、さらに漢字で「口に合って、(飲んで)楽しくなる」という意味も表しています。

このほかにも、映画のタイトルや、人名、国名を始めとする外来語には、絶妙な中国語訳も多くあります。どのように漢字で表されているか注意してみるのも中国語学習の面白みの一つといえるでしょう。

◎今回のフレーズ&単語
重生之翼【Chóngshēng zhī yì】舞台『クザリアーナの翼』の中国語訳 重生:再生する、新たに生まれる/:(助詞の)の、これ、それ、あれ/:翼
京剧【Jīngjù】:京劇(中国の伝統演劇。ユネスコ世界無形文化遺産)
音乐剧【yīnyuèjù】ミュージカル
【Māo】ミュージカル『キャッツ(原題:CATS)』の中国語タイトル、猫
大熊猫【dàxióngmāo】パンダ
狮子王【Shīziwáng】1994年に公開された長編アニメーション映画『ライオン・キング(原題:The Lion King)』の中国語タイトル。ミュージカル版の題名も同様。 狮子:獅子、ライオン/:王、君主、偉大な
悲惨世界【Bēicǎn shìjiè】ヴィクトル・ユーゴーの小説『レ・ミゼラブル(原題:Les Misérables)の中国語タイトル。ミュージカル、映画版の題名も同様 悲惨:悲惨である/世界:世界
电脑【diànnǎo】コンピュータ
机器猫【Jīqì Māo】ドラえもん。哆啦A梦【Duōlā A mèng】
と訳すこともある。この場合は、日本語の音に近い漢字で表している
可口可乐【Kěkǒukělè】コカ・コーラ

*本文中の赤字は、中国語です。
*)中国語の表記は、上海(大陸)で使われている簡体字を使用しています。また【 】内には、中国語の発音表記として漢語拼音(ピンイン)を記しています。

撮影:山田大輔 スタイリング:山本隆司 ヘア&メイク:JULLY

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