(左から)竹内結子、吉永小百合、阿部寛、笹野高史

吉永小百合が主演のみならず、初めて企画を務めることでも話題の『ふしぎな岬の物語』が、15日、千葉県南房総での撮影現場を公開。監督は『八日目の蝉』の成島出。吉永と共同で企画を務める。撮影の合間をぬって開かれた現場会見には吉永をはじめ、共演者の阿部寛、竹内結子、笹野高史が出席した。

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本作のモチーフは森沢明夫著の「虹の岬の喫茶店」。岬でカフェを営む悦子(吉永)と、そこに集う人々の温かくも切ないドラマが綴られていく。2月1日にクランクインし、千葉県の各所でロケーションを敢行。当日は、和田漁港にてエキストラ約200名を要して、鯨唄を歌いながら練り歩く大規模な「クジラ祭り」のシーンが撮影された。

「実在する岬のカフェがモチーフということに惹かれました。人と人との繋がり、温かい気持ちをこの作品で出せたらと思っています」とあいさつした吉永。映画オリジナルとして組み込まれた「クジラ祭り」については「岬にいると、どこからかひゅっとクジラが出てきそうなそんな思いに駆られるんです。そんなどこか懐かしい感じが出せればと思っています」と述べた。

吉永との共演に、漁師である常連客の徳三郎役の笹野は「一緒にいるだけで気持ちがいい。その空気をずっと吸っていたい」と、徳三郎の娘で突然、帰郷したみどり役の竹内は「(手が吉永に触れると)あ、触っちゃった」とはしゃぎながら、「全ての人を受け入れてくれる雰囲気があって菩薩様のよう(笑)」と感想を漏らした。

そして撮影の都合上、別途囲み取材で応じた監督も含め、全員が口を揃えたのが、吉永の素顔がとても“チャーミング”だということ。甥の浩司役の阿部は次のエピソードを披露。「僕がケンカで大暴れするアクションシーンがあったんです。悦子は止めてっていう場面なんですが、『本当は私も暴れたいの』って(笑)。すごくチャーミングな人だなと思いましたね(笑)」。

成島監督も「企画を立てるためにお会いするうち、素の吉永さんがとってもチャーミングだと改めて感じました。この作品では吉永さんの素に近い部分が出ていると思いますよ」とコメント。さらに「前々から、ここは撮りたかった場所なんです。出来上がってみないと分かりませんが」としつつ、「とてもいい(役者同士の)アンサンブルが出ています」と少なからず手ごたえを感じている様子だった。

『ふしぎな岬の物語』
10月11日(土)全国ロードショー

取材・文・写真:望月ふみ

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