<地域No.1店舗の売れる秘訣・エディオンららぽーと新三郷店>モールで地域密着の接客 認知度とブランド力の向上が使命

2014.3.18 11:17配信

2009年9月、埼玉県三郷市に大型ショッピングモールららぽーと新三郷が開業した。このなかに入るエディオンららぽーと新三郷店は、テナント出店でありながら、エディオンが得意とする地域密着の郊外型店舗の特性を生かす工夫を加えた新たな形態の店づくりに取り組んでいる。イベントの開催や体験コーナーの充実など、ショッピングモールにやって来たお客様の興味を引く売り場づくりで、エディオンブランドの定着に力を注いでいる。(取材・文/佐相彰彦)

エディオンららぽーと新三郷店

店舗データ

住所 埼玉県三郷市新三郷ららシティ3-1-1

オープン日 2009年9月

売り場面積 約3100m2

従業員数 約45人

●ショッピング街に変貌した新三郷 新興住宅地としても脚光を浴びる

埼玉県の新三郷地区がショッピングの街に変貌している。2008年に大型家具店のIKEA新三郷がオープン。09年にはショッピングモールのららぽーと新三郷と会員制のコストコホールセール新三郷店がオープンしている。これらの店舗はJR新三郷駅の目の前で、東京外環自動車道の三郷料金所スマートIC(インターチェンジ)からも近く、アクセスは抜群。08年オープンのショッピングモール、越谷レイクタウンと競合するが、ららぽーと/コストコ/IKEAが集まっている効果で集客力は高い。マンションの建設も相次ぎ、20~30代のニューファミリーを中心に新興住宅地としても脚光を浴びている。

その街で、家電量販店としての地位を確立しつつあるのがエディオンだ。ららぽーと新三郷の2階に、09年9月のショッピングモールの開業と同時に、エディオンららぽーと新三郷店を1フロア構成でオープンした。

エディオンが関東で出店しているのは、ここを入れて8店舗。元デオデオの本拠地の広島県や元エイデンの愛知県などと比べると、極端に少ない。「ショッピングモールにテナント出店したのは、関東地区でエディオンのブランド力と認知度を高めることが目的」と、宮本崇店長は説明する。単独店やロードサイド店は目的をもつお客様しか吸引できないが、ショッピングモールへの出店は、「エディオン」を知らないお客様にアピールできる。

付近には、JR吉川駅近くにケーズデンキ吉川店、外環三郷西ICの近くにヤマダ電機テックランド三郷店があるが、この2店舗は郊外型店舗で、とくに激しい競争を繰り広げているわけではない。宮本店長は、「当店の使命は、新たなお客様をエディオンのリピーターとして確保すること」と言い切る。

●モールの集客力を最大限に活用 あらゆる客層に対応する売り場づくり

オープンから5年目を迎えたららぽーと新三郷店。はたしてこの5年間で、エディオンブランドは定着したのか。宮本店長は、「まだまだ確立しているとはいえない」と認めながら、最近取り組んでいるショッピングモールの集客を最大限に生かすブランド力向上施策を紹介してくれた。

一つは、多くのお客様が来店できるように通路を広く確保したこと。以前は、「通路の中央にお買い得のワゴンを置いて、ごちゃごちゃした雰囲気で楽しさを訴求していたが、お客様が滞留して、スムーズに歩けなくなっていた」という。通路を広くしたことで、多くのお客様がストレスなく店内を回遊できるようになった。また、ゆっくりと商品を見て回ることができるようになったことで、これまで比較的すいている平日を狙って来店していた常連客が、休日にも来店するようになったという。さらには、入り口付近に置いていたワゴンをすっきりさせたことで、話題の商品をそのスペースで披露するイベントを開催しやすくなった。

入り口近くに設置しているのは、スマートフォンや関連アクサセリと、リフォームなど住宅設備関連の窓口だ。スマートフォンは、「エディオンの店舗のなかでトップクラス」というほど多くの契約者を獲得している。これは、取り扱うキャリアと機種が充実していることが大きい。また、リフォームに関しては、「2か月ぐらい先まで予約がある」ほどの人気ぶり。4月の消費増税と、古い一戸建てに住む人のキッチン・トイレの改装サイクルが重なっている効果だという。

宮本店長がとくに意識しているのは、体験コーナーの充実。なかでも調理家電では、「例えばミキサーのレシピのPOPはスタッフが自分でつくって、活用法を訴えている」という。料理の味を含めて、スタッフが実際にミキサーを使った感想をPOPで伝えているので、「親近感がわくと評価してくださるお客様が多い」そうだ。

テナント出店のような「一見さん」の多い店舗では、多くの来店者に対応するために効率的な接客を目指すケースが多いが、エディオンららぽーと新三郷店は、「分け隔てなく、すべてのお客様としっかりとコミュニケーションを取るようにしている」という。スタッフは約45人と決して多くはないが、そのほとんどが店内にある商品すべてを説明できるスキルをもっているので、お客様が特定のコーナーに集中したときには、即座に応援できる。こうした対話を重視したいわば地域密着型のコミュニケーションによって、お客様のデジタル機器や白物家電に関する疑問や悩みを解決し、リピーターを増やしている。

●店長が語る人気の理由――宮本 崇 店長

宮本店長は、関東を中心に多くの店舗を経験してきた。ららぽーと新三郷店の前は、高齢者が多い住宅街にあるエディオン柏店で店長を務めた。「パパママショップ的な家電量販店として、お客様から信頼されていた」そうだ。

地域密着型のノウハウをもって、2年ほど前にららぽーと新三郷店の店長に就任。「都市型店舗は初めて」だったが、まずは常連客から信頼される取り組みに力を入れた。「高齢で店に来るのが難しいお客様には、電球一個でも届けた」という。小さな積み重ねが実を結び、常連客は着実に増えている。そして今は、次の一手として「広範囲でブランド力を向上させる」ことに取り組んでいる。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年3月10日付 vol.1521より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

いま人気の動画

     

人気記事ランキング