(左から)吉田康弘監督、桐谷健太

第6回WOWOWシナリオ大賞受賞作を映像化したドラマW「埋もれる」の完成報告会見が19日、東京・赤坂のWOWOW本社で行われた。主演を務める俳優の桐谷健太が、演出を手掛けた吉田康弘監督とともに出席し、「全身全霊で臨んだ作品。代表作になったらうれしい」と期待を寄せた。

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食品メーカーに勤務する主人公・北見透(桐谷)は、正義感から産地偽装を内部告発するが、その代償として職場を追われ、家庭も失ってしまう。傷心のまま帰郷した透は、近隣住民を悩ますゴミ屋敷の解決に乗り出すが…。桐谷は「社会派かと思ったら、恋愛あり、ミステリーありで、最後はゾッと鳥肌が立った」と予測不可能なシナリオを絶賛していた。

桐谷と吉田監督は、井筒和幸監督の『ゲロッパ!』(03)に参加して以来、親交が続いているといい「当時、助監督と新人俳優だった僕らが今回、監督と主演という関係で作品に挑めたのが何よりうれしい」(桐谷)と感激しきり。吉田監督も「戦うつもりで挑んだ作品で、健太が一緒だったから心強かった」と10年越しのタッグに喜びをかみしめていた。

自身が演じた役柄について、桐谷は「ストーリーが入り組んでいて、すべてを失った男が這い上がる…ってだけの物語ではないんですよね。心が硬く、自分で自分を縛って“埋もれて”しまうんです。そのまっすぐな硬さを見せられたら」とコメント。

一方、吉田監督は「しっかり役をつかんでいたので、余計なことを言う必要はなかった」と桐谷に全幅の信頼を寄せ、「予定調和で終わらない、あっと驚くラストまでの展開を際立たせたかった」と演出へのこだわりを語った。

この日は、第7回WOWOWシナリオ大賞の授賞式も行われ、大賞に「十月十日の進化論」(栄弥生氏)、優秀賞に「レフェリー!」(森戸恭子氏)、「ブサメン帝国、応答アリ」(柳田隆行氏、三村路子氏)が選ばれた。大賞受賞作は2014年度内にドラマ化される予定。

ドラマW「埋もれる」
3月20日(木)21時からWOWOWプライムで放送

取材・文・写真:内田 涼