渡辺美里、極上のスペシャリテをお届け

2014.3.20 12:30配信
渡辺美里ライブ写真※写真は3月11日のステージより 渡辺美里ライブ写真※写真は3月11日のステージより

3月12日(水)、東京・ビルボードライブ東京で渡辺美里のライブが開催された。

デビュー翌年の1986年から20年連続で開催された西武スタジアムライブ、そして2006年から継続中の「美里祭り」など、美里は数々のシリーズ・ライブを持つ。そのひとつ1999年からスタートした「うたの木」シリーズは、オーケストラなど通常のライブと編成を変え、オリジナル曲だけでなく”歌い継ぎたい”スタンダードや童謡なども採り入れた企画だ。今回の「うたの木~今夜のスペシャリテ~」は、名古屋ブルーノート、ビルボードライブ大阪・東京で5日間入れ替え2ステージ制の全10公演行われた。

最終日であるこの日の1公演目、食事とお酒をたしなみながらのお洒落な会場の客電が落ち、スタンダード曲『A Lover's Concerto』をジャズアレンジで聴かせ、ゴージャスなひとときの幕が開いた。お馴染みの『10years』、『卒業』も構成や歌唱がひと味違って、新たな魅力にぐいぐいと惹きつけられる。自身の高校卒業式の直後にこの会場そばのレコーディングスタジオに直行したエピソードを披露、30年近く前の出来事がまるで昨日のようだと語った美里。そして「うたの木」がスタートしたきっかけともなったベット・ミドラーがジャニス・ジョプリンをモデルにしたシンガーの生涯を演じた映画『The Rose』の主題歌を披露。屈指の歌唱力で切々と歌い上げる美里を至近距離で堪能する客席には息をもつかせぬ緊張感が漂う。続いて4月23日(水)にリリースする新曲『ここから』をいち早く披露。これまでも数々の名曲を提供してきた大江千里の作品で、美里の代表曲の仲間入りする予感だ。

今回の演奏を支えるバンドメンバーの紹介。ピアノの松本圭司とギターの石成正人は、美里のアルバム『Dear My Songs』に参加した縁もあり、ドラムの小笠原拓海は山下達郎のツアーメンバーとしても有名だが、美里がデビューする前年に生まれたという若手。彼が音楽探求していて、海外ミュージシャンが参加して1991年に発表された美里のアルバム『Flower Bed』に行き着いたという縁が語られた。ベースはこれまでも美里のライブやCDで深い縁を築いている有賀啓雄。この腕利きたちと美里が丁寧に紡ぐことで生まれた、実に贅沢な音世界。デューク・エリントンの『It Don't Mean A Thing(If Ain't Got That Swing)』にうっとり。イントロが流れ、美里が「この曲わかる?」といった表情をみせて始まった『My Revolution』でたまらず場内のボルテージも最高潮に。

収まらない拍手に促されてアンコールは「始まりの詩、あなたへ」。歌詞をかみ締めるように歌うさまは心の奥底に深く届いた。デビュー30周年に突入する美里は、5月に東京と大阪で「美里祭りV9 Boom Boom Bloom」を開催。秋にはミュージカル『アリス・イン・ワンダーランド』再演も決定と、ますます充実する今後の活躍に目が離せない。(取材・文:浅野保志)

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