龍真咲  撮影:奥村達也 龍真咲  撮影:奥村達也

宝塚歌劇が初めて公演を行ってからちょうど100年になる今年4月、その記念すべき節目に行われる公演は、月組による日本物レビュー『宝塚をどり』、ミュージカル『明日への指針-センチュリー号の航海日誌-』、レビュー『TAKARAZUKA 花詩集100!!』の3本立て。100期生のお披露目や、宝塚大劇場公演では各組トップスターの特別出演もあり、華々しく展開される。公演を前に、月組トップ・龍真咲(りゅう・まさき)に意気込みを訊いた。

宝塚月組公演 チケット情報

今回は、自身初の3本立て公演であり、日本物レビューへの出演も約10年ぶり。『宝塚をどり』では、華やかな春の踊りにしたいと話す。「タカラヅカの和物は、宝塚歌劇と日本の伝統が融合していて、豪華絢爛なうえに独特な甘美さがあると思います。小道具の使い方や所作など基本的なことを大切にしながら、艶やかさをプラスして魅せていきたいです。プロローグでは“チョンパ”(暗転中に緞帳が上がり、拍子木の音に続いてパッと明るくなる幕開き)から始まり、『宝塚音頭』という新曲や、少し歌舞伎風な演出も取り入れられていて、とても豪華になっています。さらに、今まで上演された演目の中から組み合わせて作られた踊りや、各組のトップスターの方々とご一緒させていただく獅子のシーン、そして締めは『すみれボレロ』と、タカラヅカらしく華やかなショーを楽しんでいただきたいと思います」。

第2幕のミュージカルは、船の通信士と若き人妻を中心に繰り広げられる祝祭劇。35分の小作品ながら、男役として魅せられるすべてが凝縮しているという。「“清く 正しく 美しく”をテーマにした作品で、皆さまもご存知の曲が取り入れられ、銀橋渡りの歌、登場の仕方、ストーリーの持って行き方、一つひとつがとても面白く仕上がっていると思います」。

そしてショーでは、衣装にフランスの新進気鋭のデザイナー、アントワーヌ・クルック氏を、振付にブロードウェイで活躍中のジェフ・カルフーン氏を招き、記念公演らしいより華やかなステージに。「先に行けば行くほど加速していくようなステージで、大変なことになりそうです(笑)。衣装もすごく豪華で、各場面ごとに様々なデザインのものが登場しますので、ファッションショー的な要素も楽しんでいただきたいです。100人で行うラインダンスではスペシャルもありますので、楽しみにしていてください」。

宝塚大劇場では3月21日(金・祝)から4月28日(月)まで。チケットは発売中。5月16日(金)から6月15日(日)まで東京宝塚劇場で上演される。チケットは4月13日(日)より一般発売開始。

取材・文:黒石悦子